
<明治安田J1:川崎F3-3横浜>◇9日◇第5節◇U等々力
川崎フロンターレが横浜F・マリノスとの「神奈川ダービー」で3-3で引き分け、5戦無敗で3位に浮上した。
2-3の後半追加タイム10分、日本代表DF高井幸大(20)が頭で決めて土壇場で勝ち点1をチームにもたらした。
得点については「本当に1点返さないといけない状況だったので、点を取れて良かった」と喜んだが、「自分たちの形ではないゲームをしてしまった。申し訳ないなと思う」と反省を口にした。
まさに激闘だった。前節からスタメン9人を入れ替えて挑み、前半7分に初先発のMF大関友翔(20)がJ1初ゴールを奪い先制。同41分に失点するも後半22分に一時勝ち越した。そのまま試合終了かと思われたが、後半44分、同追加タイム2分に連続失点。敗戦濃厚最終盤に同点弾が生まれた。高井は「ボールがきそうなところに入っていった」と振り返った。
勝利がほしかった。勝てば首位浮上のチャンス。出場機会の少ない選手が多く先発に並ぶ中で、高井はキャプテンマークを巻いて出場した。「そこまで特別な感情はなかったけど、チームのリーダーとしてというのは心がけていた」。その意識が執念の同点ゴールにつながった。
A代表も経験した。この日視察した日本代表森保一監督(56)からも「すごく雰囲気的にも変わってきたと思うし、責任感ということもプレーに表れている」と高く評価された。ピッチ内外で存在感は日に日に増している。
守備の要としてDFラインを統率した。後半にカウンターを浴びた場面では適切なポジショニングでピンチを救った。「大きなスペースを守れることになっているのが自分の強みですし、いいところでもある」と成長を実感している。
7連戦の4試合目。中2日で敵地ヴィッセル神戸戦が控えている。「連勝で終われるようにチーム一丸で頑張りたい。この勝ち点1が最後に大きなプラス1になればいいかなと思う」と願った。【佐藤成】