
<東都大学野球:国学院大2-1日大>◇第1週第2日◇8日◇神宮
国学院大は、竹野聖智捕手(3年=日本文理)が代打で初打席初本塁打を放った。
1-1で迎えた8回、代打を告げられた竹野は「やっときた。待ちに待ったっていう感じで打席に入りました」と、冷静に2球目のスライダーをたたくと、打球は右翼スタンドに吸い込まれた。「自分でも必死すぎて…。打って全力で走ったらホームラン。実感わかないけどうれしい!」。無我夢中でダイヤモンドを一周した。
野球人生を変えた1発だった。「高校時代はバットを短く持ち、ちょこまかしているようなバッターで、ホームランバッターではなかったんです」。国学院大入学後、鳥山監督のひと言が野球人生を変えた。
「これからはしっかりと振っていくぞ。オマエならしっかり振れるようになるから。しっかりとスイングをしなさい」
その言葉を信じ、毎日、自主練習での振り込みは欠かさなかった。体重も72キロから6キロ増やし、パワーをつけた。「振り負けずに、しっかり振れるようなりました」。3月のオープン戦からAチーム入りし、アピールを続け、開幕戦で初のベンチ入り。2戦目で値千金の本塁打で勝利を呼び込んだ。
抜てきした鳥山監督は「見事に起用に応えてくれた。ここまで努力を積み重ねてチャンスをつかんできた人間。野球の神様はいるんだなぁ、と感じさせてくれるホームランでした」と、満面の笑み。竹野は「ここぞというところで1本を打てるようなバッターになっていきたい」と意気込む。新戦力が、チームに勢いをつける。