
<阪神2-3中日>◇12日◇甲子園
最終回の猛追も実らず、阪神が中日に惜敗し、昨年から続いていた甲子園での中日戦の連勝は11でストップした。2点を追う9回1死二、三塁から、木浪聖也内野手(30)の遊ゴロの間に1点差に詰め寄るも、代走で出場していた二塁走者の島田海吏外野手(29)が痛恨の走塁ミス。打線も序盤からあと1本が出ずに、12安打で2得点に終わった。13日の第3戦で2カードぶりの勝ち越しを狙う。
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最高潮に達した追い上げムードも、一瞬にしてしぼんでしまった。最終回の阪神の猛追もあと1歩実らず。藤川監督は「うーん…まあねという感じですね」と言葉少なだった。
2点を追う9回1死二、三塁で打席には木浪。三遊間への打球を遊撃手が捕球し、その間に三塁走者の大山がホームイン。しかし、二塁走者の島田が進塁か帰塁か、一瞬ためらった。慌てて二塁へ戻るも、間に合わずタッチアウト。2死一塁と状況が一変した。
敗戦後、島田は反省しきりだった。
「完全にミスです。(三塁走者が)行くのか行かないのかを見ながら、打球も見ながらという判断だったので。もっと単独という気持ちを持っておけば、迷わず戻れたと思う。あそこでいい判断をしなきゃいけない」
勢いを変えた1プレー。それでも指揮官は1人を責めなかった。「その前からですね。あまりゲームがうまく運べなかったというところですね」。3時間20分を通して、あと1歩のところで流れを引き寄せられなかった。
打線は2桁安打を放ち、毎回走者を出しながらも、最終回までに奪ったのは1点のみ。7回無死一塁で代打原口が遊ゴロ併殺に倒れ、8回1死一塁でも森下が遊ゴロ併殺と、今季最多の3併殺。7回1失点の好投を許した松葉を攻めあぐね、藤川監督も「そうですね。そういうゲームになってしまいましたね。今日はね」と話すしかなかった。
11日に今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げるも、聖地で連勝とはならなかった。昨季は甲子園での中日戦11試合で10勝1分けだったが、前夜までの連勝も11でストップ。きょう再び勝利の「六甲おろし」を響かせて、2カードぶりのカード勝ち越しを決めたい。【磯綾乃】