
<楽天2-8日本ハム>◇9日◇楽天モバイルパーク
日本ハム打線が今季最多17安打8得点と爆発し、3カードぶりの勝ち越しを決めた。相手先発の辛島攻略へ試合前練習から万全の対策を行った打線が、同点の5回に頼もしく連動。フランミル・レイエス外野手(29)の決勝適時二塁打など長打攻勢で3点を勝ち越し、ベテラン左腕をKOした。
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レイエスは5回1死二塁の第3打席を前に盟友と対策を練っていた。「グワチョ(マルティネス)と話して、この打席はカーブを狙っていこうと」。初球の134キロ直球をファウル後、続く直球は見逃し。3球目に、待っていた103キロのスローカーブが来た。しっかりと間を取って捉えると、左中間へ勝ち越しのエンタイトル適時二塁打。「うまく対応できたよ」と対策が実って笑顔を見せた。
打線全体でも辛島対策を行っていた。この日の試合前練習では、平地から打撃投手が投げた球を打った。今季は新庄監督の肝いりで、打撃投手用の移動式ピッチャーマウンドを導入。ビジターでも使用してきた。実際にマウンドから投げているような感覚を練習から身に着ける必需品だったが、この日はあえて使用しなかった。
その理由は、辛島のサイズ感を考慮したから。八木打撃コーチが「昨日の反省も踏まえて」と説明したように、前夜の相手先発は身長176センチの藤井で、5回までに2得点と攻略しきれなかった。辛島は、さらに3センチ低い身長173センチ。近距離で移動式マウンドを使用しても目線が高すぎて対策にならないと判断。結果的に5回途中までに8安打4得点で辛島をKO。臨機応変な準備段階での微修正も奏功した。
新庄監督もスタメンを考え抜いていた。「久々に昨日いろいろ考えてオーダーを決めたんですけど、ハマって気持ちいい」。辛島に合わないと判断した清宮幸を5番に据えたのは「中盤で(走者が)たまったときに右投手が来ると(想像して)。ハマりましたね」。5回はレイエスのあとに郡司が中前打でつなぎ、辛島に代わって登板した右腕の内から清宮幸が2点適時二塁打。9番に置いた奈良間はプロ入り初の4安打だ。打線が躍動しての大勝に「今日は思い通りになって気持ちよかった」。連勝で3カードぶりの勝ち越しを決めた。【木下大輔】