
<楽天0-10日本ハム>◇10日◇楽天モバイルパーク
日本ハムの超強力打線が、目覚めた。4回まで毎回得点を奪うなど、今季初の2桁得点で楽天に3連勝。新庄監督も「今日は、褒める選手が多すぎてコメントが渋滞してるから、選手に聞いて」と笑顔でひと言だけ残して球場を後にした。
この3試合で4本塁打を含む計42安打。チーム打率は前カード終了時点の2割2厘から2割5分へジャンプアップした一方で、11試合を終えてチーム犠打数は12球団唯一のゼロ。2リーグ制になった54年以降で、開幕から犠打ゼロが11試合以上続いたのはパ・リーグで3球団目のレア記録。日本ハムでは球団最長を更新中だ。
その理由は、前夜の試合後に指揮官が語っていた。
新庄監督 バントする必要なくないすか、今。打ってつながる打線になっている。1つアウトを(相手に)タダで渡すより、つながってくれると思うから。
この日も1回に4番野村の先制適時二塁打と5番田宮の左前適時打が飛び出して2点を先行。2回は2番レイエスの右前適時打、3回は9番水野が1号3ラン。どこからでも打ってチャンスをつくり、得点を奪える重厚な打線が躍動した。
打たなければ、試合に出られない緊張感も猛打のスパイスとなっている。前夜はスタメンから外れた水野は、途中出場だった9日楽天戦で満塁の走者一掃適時三塁打を放ち、新庄監督から「俺をスタメン外しやがって打法」と命名されていた。一夜明けても3ランと適時打で4打点と2試合で7打点の大暴れに「打てないキャラって思われたくないんで」。競争しながら高め合う超強力打線が、本領を発揮し始めた。【木下大輔】
▼今季の日本ハムは送りバント失敗が1度(4月8日の伏見)があるものの、開幕から11試合を消化して犠打が0。2リーグ制後、開幕から11試合以上連続で0犠打は8度目。パ・リーグでは56年高橋の11試合、95年西武の14試合に次いで3度目。