
プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)による理事会・実行委員会が7日都内で行われ、「魚雷バット」の使用を前向きに検討していることが分かった。
同バットは、バットの芯が通常より太く、より手元に近い位置にある。このバットをヤンキースなど複数球団の一部選手が使用し、本塁打を量産している。
野球規則では「バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61インチ(6.6センチ)以下、長さは42インチ(106.7センチ)以下であることが必要である。1本の木材で作られるべきである」(3.02)と定められており、規則委員からは「原則としてルールに反してはいない」との見解が示された。「しっかりチェックして、使えるようになったら使った方がいい」という意見も出たという。
近日中に規則委員会を開き、問題がないかを議論する。中村事務局長は「規則委員会でOKとなっても、すぐに使用できるわけではない。使用時期にばらつきがあっては不公平になってしまう。メーカーさんにも連絡しないといけないし、試打もあるだろう」とし、最短で5月の実行委員会で承認を得られれば導入される見通しだ。
この新型バットは「トルピード(魚雷)」と呼ばれている。魚雷やボウリングのピンのような形状で、先端部分は細く、バットヘッドの手前、投球が当たる部分が最も太くなっている。重心が手元に近く、操作性が向上したとの声もある。ヤンキースの複数選手が使用し、開幕から3試合で15発と爆発的な猛打を見せた。
ドジャース大谷は魚雷バットについて、当面は使用しないとの見解を示している。「いきなり使うってことはもちろんないと思います。最初から可能性を排除することはないとは思うんですけど、今のバットに十分満足してますし、いいフィーリングは返ってきているので。今のところは継続して、今のバットを使うかなと思ってます」と話している。
導入されれば、昨今の「投高打低」の日本球界に大きな影響を及ぼす可能性が十分にある。【鳥谷越直子】