
<東都大学野球:日大2-0国学院大>◇第1週第1日◇7日◇神宮
日大の今秋のドラフト候補に挙がる、最速152キロ右腕のエース・市川祐投手(4年=関東第一)がマダックス(100球未満の完封勝利)を達成した。
国学院打線を9回5安打無四球の96球でシャットアウト。23年5月18日以来、2度目の完封勝利で、リーグ通算16勝目。市川は「最少失点で9回を投げようと思った結果が0につながった。テンポ良くストライクゾーンに投げられた」と、納得の表情を浮かべた。
得意の投球術がさえた。「落ち球にカットボールをどのコースにも投げることができた」と、打者の打ち気をそらし、凡打の山を築いた。国学院大の鳥山泰孝監督(49)も「捉えどころが難しい。あの手、この手で交わされながら、チャンスらしいチャンスをもらえなかった」と脱帽した。
この日は開幕とあって、12球団のスカウトが視察。西武の秋本球団副本部長は「ピッチングがうまい。変化球を使いながら、コントロールがいい。右打者のインコースにもしっかり投げられる」と評価。
片岡昭吾監督(47)も、教え子の巨人赤星と比べ、「赤星と市川、2人ともコントロールの不安はない。どんどん打たせていける投手、というところは重なる。ただ、現時点で言えば、勝ち星も含め、市川の方がいいですよ」と、エースの活躍に目を細める。
赤星は21年、ドラフト3位で巨人に入団し、今や先発ローテーションで活躍。今年、初めには「ドラフト1位を目指す」と口にしていた市川。先輩を超える1年にする。【保坂淑子】