
日本代表(FIFAランキング15位)は25日、W杯北中米大会アジア最終予選でサウジアラビア代表(同51位)と対戦する。本大会出場決定後初の試合に向けてチームは24日、会場の埼玉で最終調整した。MF田中碧(26)はMF守田英正の負傷離脱により、先発が濃厚。前回W杯では「三笘の1ミリ」から得点を決めて大ブレークした。しかし、今回の最終予選の先発はわずか2試合にとどまる。悔しい思いをピッチにぶつけ、自らをアピールし、チームに勝利をもたらす。
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ハングリーな田中が圧倒的な存在感を発揮してチームを勝利に導く。3年前は主力だったが、システム変更も影響し、今予選は4試合の出場にとどまる。うちスタメンは2試合だけ。チームの勝利を最優先としつつ「悔しさもやっぱもちろんある」とたぎる思いを吐露。レギュラー奪取に向けて「自分がよりいい選手になれれば、(出場)機会は増えるのかな」と成長の必要性を口にした。
チームの結果が個人の評価にもつながると信じている。「やっぱり一番はチームが勝つことが自分自身のアピールにつながる。どの試合においても自分が出る時には必ず勝つという風に結果を残したい」と勝利にこだわる姿勢を示した。
先発メンバーは大幅変更の可能性がある。上田と守田の離脱に加え、三笘もコンディション不良。海外組はシーズン佳境で無理をさせる必要はなく、フレッシュな顔ぶれが予想される。前回大会の最終予選では突破を決めた直後のベトナム戦でメンバーを入れ替えて引き分け、本大会でもドイツに勝利した後の第2戦コスタリカ戦でターンオーバーを敢行し敗戦を喫した。
「誰が出ても同じ結果が出せる」。MF遠藤は現在の代表をそう表現する。予選突破の節目を迎えた直後の試合。メンバーがどうあれ白星で飾ることが主将の言葉を証明することになる。そしてW杯優勝という目標に向けた総力アップにつながる。
田中は経験を積んだからこそ気を引き締める。球際や切り替えの重要性を強調し「突破したからOKという風な気持ちで迎えてはいけないゲーム」と相手以上のモチベーションを持って戦う。前回のW杯では「三笘の1ミリ」から得点を奪い、シンデレラボーイ的な役割を果たした。16強で敗退後「バケモノになってここに戻ってきたい」と誓った。帰る権利は得た。さらなる進化へ1試合も無駄にはしない。【佐藤成】