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宇宙から水道管の漏水調査 イスラエル企業技術、70事業体以上が導入


イスラエル企業「アステラ」は、JAXAの地球観測衛星を利用した技術で水道管の漏水を検出し、多くの日本の自治体がこの技術を導入している。アステラの技術は衛星写真とAIを活用し、漏水の可能性がある地点を特定する。大分県では9500キロの水道管のうち1600キロに漏水の可能性を絞り込み、その後の現地調査で38.4%の確率で漏水を発見。埼玉県八潮市で起きた下水道破損事故以降、問い合わせが増加しているが、地下10メートルの水道管は検出が難しい。

 宇宙から水道管の漏水を調査する、イスラエルの企業「アステラ」の技術を導入する自治体が増えている。2013年、月や火星の水を研究する同国の研究者が創業した。16年に商用化され、すでに64カ国にサービスを展開。日本代理店の「ジャパン・トゥエンティワン」によると、国内では兵庫県や大分県など35道府県の延べ70事業体以上が導入している。

 アステラが日本向けサービスで利用するのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」などのデータだ。地表に照射して反射したマイクロ波から画像を撮影。建築物など不要な情報を人工知能で除去し、物質が電気を蓄える程度を示す「誘電率」の差で上下水道と海水や河川の水を区別する。水道管の位置と照合するなどし、漏水しているとみられる地点を検出する。

 判定される地点の範囲は半径100メートルごと。水道事業者はこの範囲内で、実際に漏水が起きているかを現地調査する。

 23年に県内18市町村全てで導入した大分県では、総延長約9500キロの水道管のうち、漏水の可能性のある範囲として約1600キロに絞り込んだ。その後の現地調査での漏水発見率は速報値で38・4%で、1キロあたり1・74カ所だった。担当者は「良好な結果で、以前より発見率は向上したと考えている」と話す。

 水道管のトラブルでは、1月に埼玉県八潮市で起きた下水道管破損による県道の陥没事故が記憶に新しい。ジャパン社によると、地下3メートルより深い位置に上水道管が通っている場合は検出できず、八潮市の事例(地下約10メートル)で検出できたかは分からない。ただ、同社には八潮市の事故以降、都道府県庁や民間の水道事業者からの問い合わせが増えているという。【露木陽介】

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