
<全国高校野球選手権:創成館1-0神村学園>◇13日◇2回戦◇甲子園
優勝候補の一角とも目された神村学園(鹿児島)が初戦で涙をのんだ。
投打の主軸はそろって「プロ1本です」と進路表明した。
注目のエース早瀬朔投手(3年)は最速148キロをマーク。鹿児島大会では調子を落としていたが、コンスタントに140キロ台中盤を出し、実力を印象づけた。安打は浴びながら要所を締めていたが、7回に暴投で1点を与え、これが決勝点になった。
この回で降板した右腕は「鹿児島大会は打線に助けてもらったので、今日は自分が助けるぞと思っていた。(暴投は)絶対に抑えたい気持ちが強くてボールが上ずった。気持ちが入りすぎた。1球で夏は終わるんだ、ということが分かりました。高いレベルでも通用する投手になりたいです」と涙はなかった。
一方の主将でもある今岡拓夢内野手(3年)は涙が止まらなかった。1年夏から活躍し、2年連続の夏の甲子園4強に貢献。強打の右打者は大詰めの9回、左翼に大飛球を放ったが、フェンスに体をつけた左翼手に捕られた。
「感触はよかった。いってくれ、と思ったが、森下投手に押されていたんだと思う。最後の最後に自分がまとめ切れなかった。先輩のおかげで今まで長い夏を過ごさせてもらったが、下級生たちにその経験をさせてあげられず、申し訳ない気持ちでいっぱい。早瀬がいい投球をしくれたのに打線を引っ張れなかった。まだまだ課題がたくさん残っている。守備のスピード感や打撃の対応力は全然ダメだった。今まで苦しいことも楽しいこともあったけど、仲間がいたからここまで来られた。成長させてもらった。神村に来てよかったです」と締めくくった。