
<東都大学野球:東洋大6-国学院大>◇第2週第2日◇17日◇神宮
東洋大のドラフト候補に挙がる最速154キロ右腕、島田舜也投手(4年=木更津総合)が、2安打完投で1部リーグ初勝利。チームも国学院大に2連勝で勝ち点1を挙げた。
仲間の援護に応えた。初回の3得点を背にマウンドに上がると、立ち上がりは制球を乱しながらも1失点。4回に右越えソロ本塁打を浴びるも、焦ることなく丁寧にゾーンを意識した。力強い真っすぐと、前半はカーブ、後半はスプリットで打たせて取った。「今日は全体的に打たせるピッチング。コースに丁寧に投げる意識でした」と凡打の山を築き、わずか92球で試合を締め「マダックス(100球未満での完封)もいけたと思うんで。2失点はもったいなかったです」と、苦笑いを浮かべた。
家族の言葉が、復活を後押しした。ドラフト上位候補と注目され迎えた開幕カード。亜大戦で先発するも7安打を浴び3回で降板し、2戦目は抑えで登板もサヨナラ満弾を浴び2連敗。「落ちるところまで落ちたな…」。自信を失い下を向いていた時に、家族から「もうあんなピッチングしたらドラフト1位なんて、ないんだから~」と声をかけられた。今年の目標は「ドラフト1位でプロ入り」だったが「ドラフトを意識しすぎたピッチングが亜大戦の結果でした。ドラフトは考えず試合を楽しむ。家族の言葉で気持ちの切り替えができました」と、目が覚めた。ドラフトよりも、チームの勝利に集中した。「力みがあったせいで、テイクバックが小さくなり、体の開きも早かった」とフォームを修正し、投げ込みを重ね感覚を取り戻した。
次戦は、5季連続優勝を狙う、青学大だ。昨秋の入れ替え戦で1部昇格を決めてから、打倒青学大を掲げ練習に励んできた。青学大を止めたいか、と聞かれると、島田は「あります!」と即答。そして、「倒したいです」と力強く応えるその目は、エースの輝きを取り戻していた。【保坂淑子】