
<ヤクルト2-7巨人>◇18日◇神宮
巨人ドラフト3位の荒巻悠内野手(22)が門出のプロ初安打をマークした。
「6番一塁」で初スタメン。2点リードの7回無死、ヤクルト小川の高めに浮いたフォークを引っ張った。強烈な右前打を放ち、デビューから6打席目でプロ初安打をマーク。開口一番に「気持ち良かったです」と喜び、大学時代には苦い思い出が多かった神宮も「最高の球場に変わりました」と興奮気味に話した。
守備でも魅せた。4回2死一、二塁、赤羽の一、二塁間への打球をダイビングキャッチ。春季キャンプで中山、秋広ら同学年のチームメートとの特守の成果を発揮し「役割を全うするのが仕事なので」と、ここは平然と振り返った。
高校時代に逸話が残る。母校・祐誠(福岡)のグラウンドには右翼後方に防球ネットが設置されている。並の高校生では越えることはないが、荒巻の打球だけは防球ネットを越え、その先の民家まで届いた。「(近所の)おじちゃん、おばちゃんがよく(ボールを)持ってきてくれました」と、当時の武勇伝を明かした。
プロとしての第1歩を踏み出した。阿部監督は「あと1999本目指して頑張ってほしい」とエールを送れば、荒巻自身も「(次は)ホームランを打ちたい」。伝説の“飛ばし屋”が次の1本を見据えた。【水谷京裕】