
鹿児島市のレコード会社が2023年に亡くなった歌手、八代亜紀さんのCDを「フルヌード写真」付きで発売すると発表し、波紋を呼んでいる。八代さんの出身地、熊本県の木村敬知事は16日の記者会見で「許しがたい。(発売を)中止すべきだ」と批判した。
レコード会社はホームページ(HP)で、「舟唄」や「雨の慕情」など10曲を収録したCDを21日に発売すると予告。八代さんが20代の頃に同居していた人物が撮影したとする、八代さんの「ヌード写真2枚」を「お宝」として掲載していると説明している。
これに対し、木村知事は会見で「事実であれば、極めて不愉快で許しがたい行為と言わざるを得ない」と批判。「大事なのは八代さんと遺族の尊厳が尊重されることなので、この件が興味本位で取り上げられ、かえって(CDの)販売をもくろむ業者の利益につながることがあってはならないと考えている。(発売は)中止すべきだと思う」と述べた。
CDの発売を巡ってはSNS(交流サイト)でも批判が相次ぎ、インターネット上で発売中止を求める署名活動も展開されている。
レコード会社は16日の毎日新聞の取材に「取材には応じられない」とした。会社はインスタグラムで「(写真の)所有権を有している」と主張し、「発売中止などは行いません」としている。【山口桂子、平川昌範】