
<仙台6大学野球:東北福祉大8-1東北工大>◇13日◇東北福祉大野球場
東北福祉大が東北工大を8-1の7回コールドで下した。1-1の2回1死満塁で金井翔陽外野手(3年=東北)が左中間を破る走者一掃の勝ち越し適時三塁打。2安打3打点で勝利に貢献した。仙台大も宮城教大に9-1の7回コールド勝ち。2番手で登板したルーキー奈須優輝投手(1年=日大東北)が3者連続三振でリーグ戦デビューを飾った。ライバル同士が開幕2連勝で好発進を切った。
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小雨が降りしきり、気温は8度まで低下。だが、寒さの中でも東北福祉大の金井の闘志は燃えていた。これまでは途中出場が多かったが、この日は「1番左翼」でスタメン出場。1-1で迎えた2回1死満塁の好機。外角低めの直球を捉え、勝ちこしとなる走者一掃の適時三塁打。スタメン起用の期待に応え「とにかく死ぬ気で出塁する気持ちでした」と振り返った。
打撃不振で3月の関東遠征には帯同せず、Bチームで経験を積んだ。練習試合では1番打者としてスタメン出場。「自分的にはどんどん打席に立ちたかったので、Bチームで多くの打席をもらえてうれしかった」。実戦を積むことで打撃不振の原因もわかった。「悪い時は引っ張りにかかっていたので、センターから左中間に狙って打つ練習をした」。課題に向き合った結果、Aチームに復帰。この日2安打3打点で打線をけん引した。
左腕には白のリストバンドをはめている。昨季の1番打者で、現在トヨタ自動車でプレーする2学年上の先輩、西村彰浩(22)からもらった。同じ左翼手で3季連続ベストナインを取った憧れの先輩だ。「ピンチでの冷静さや1番バッターとして絶対に(塁に)出ようとする意識がすごく感じられた」。尊敬する先輩のような1番打者を目指す。
プロの世界で活躍するかつてのチームメートにも刺激を受ける。中日の山浅龍之介捕手(20)とは楽天ジュニア、同シニア、日台国際野球大会東北選抜で一緒にプレーした。高校は金井が東北、山浅が聖光学院と、ともに東北圏内の強豪に進学。3年春の東北大会決勝で対戦し3-4で聖光学院に敗れたが、今でも仲が良く、連絡を取り合っている。「同い年でプロの世界にいるのはうらやましい。自分も同じ舞台に立てるようにやっていきたい」。まずはレギュラーをもぎ取り、全国に名をとどろかせる。【木村有優】