
<広島5-3巨人>◇13日◇マツダスタジアム
広島が終盤まで競った展開となった巨人3回戦(マツダスタジアム)をものにし、今季2度目の同一カード3連勝で連勝を4に伸ばした。
開幕前後に主力選手の離脱が相次ぎながら、新井貴浩監督(48)の巧みな選手起用でチームを軌道に乗せた。この日も二俣と末包らが起用に応える働きで効果的に得点。先発した森も6回1失点と粘投を見せた。セ5球団との対戦が一巡し、8勝5敗1分け。首位キープだ。
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リードを広げれば点差を縮められる展開にも、ベンチの新井監督は送り出した選手を信じた。9回1死一塁は抑え栗林が併殺で締めて逃げ切ると、奥底にためていた不安を吹き出すように破顔した。眼前で胴上げされた昨季9月28日以来、巨人を本拠地に迎えた3連戦。スイープで連勝を4に伸ばし、セ5球団との対戦が一巡した14試合を終えて貯金3。セ界唯一の貯金チームだ。
「ケガ人はけっこう出ているんですけど、若い選手が頑張ってくれている。選手も“よし、行けるぞ”と思ってくれていると思う」
開幕前に離脱した坂倉に続き、開幕カードで4番モンテロと5番秋山が負傷した。中軸の相次ぐ離脱もあり、ここまでスタメンは10通り。苦慮する中で新井監督の用兵が光る。3試合ぶり1番先発の二俣は先制につながる二塁打を放ち、同点の5回には二盗。決勝のホームを踏んだ。5試合連続4番の末包は、3点リードから1点差となった7回に再び突き放す適時二塁打。開幕カードで1度も出番のなかった新4番は、リーグトップタイの11打点を記録するなど大きな得点源となっている。
先発した森は毎回のように走者を出し、5回まで90球を要した。その裏は9番から始まる打順も、指揮官は迷わなかった。「球数どうこうというより、彼は投げながら成長してもらわないといけない選手。4月の段階で5回で代えるという選択肢はない」。成長を信じてマウンドへ送り、4年目左腕も期待に応えた。
就任3年目の今季は世代交代を推し進める。好発進も横綱相撲ではない。この日もバント失敗や無駄な四球が失点に絡んだ。新井広島は試合を重ねながら、強くなっていく。【前原淳】