
<広島12-3巨人>◇11日◇マツダスタジアム
新4番の末包昇大外野手(28)に導かれるように、広島がともに今季最多15安打12得点で大勝した。昨季防御率1・52に抑えられた難敵戸郷を4回途中でKO。先制を許した直後の2回に3点を奪って逆転すると、1点差となった4回は2四球と相手のミスにも乗じて6安打を集中。一挙7点を奪った。昨季対戦した7試合で計8得点の右腕から1試合で2桁10得点。21年4月10日の3回2/3を上回る3回1/3でのKOとなった。
末包は2回の第1打席でチーム初安打となる左前打を放ち、火付け役となった。4回は4点を追加し、なおも1死二、三塁で内角球を引きつけて三塁線を破った。バットを前の打席で1本。この打席で2本折られながら、しぶとくフェアゾーンに運んだ。「3本折って、2本ヒットになったので、ギリプラスですね」と2点適時二塁打で勝負を決めた。出場8試合目で打点は早くも2桁に到達。大きな得点源となっている。
昨季、胴上げを見せられた9月28日以来の対戦となる巨人相手に、変わらぬ相性の良さを示した。23年は対戦打率3割4分4厘で6本塁打。打撃成績を落とした昨季も球団別打率ではセ5球団でもっとも高い2割6分8厘だった。今季も“Gキラー”ぶりは健在だ。
新井監督は「チャンスで追い込まれながら、昨年とは違うスエがだんだんと、ちょっとずつ出てきているかな」と認めつつ、4番については「当然、4番目です」とさらなる成長を求めた。好調を維持する4番とともに、チームは今季初めて貯金生活に突入だ。【前原淳】