
<明治安田J1:C大阪1-0鹿島>◇第10節◇12日◇ヨドコウ
セレッソ大阪が、歴史に残る試合を制した。
12連敗中だったホーム鹿島戦。VAR介入で2度もオフサイドによる得点取り消し、3度の通常の判定によるオフサイドでの得点無効、そしてPK失敗まで。大きなマイナス要素が計6度も襲ってきたが、すべて跳ね返した。
引き分け寸前の0-0で迎えた後半57分、DF進藤亮佑(28)が劇的決勝ゴールを決めた。FWハットンのPK失敗から、わずか40秒後の出来事だった。
鹿島戦の勝利は10年5月5日以来15年ぶり、アウェーを含めれば17年4月8日以来8年ぶり、16試合ぶりの白星だった。
劇的な勝利に貢献したのは、今季初の無失点に成功した守備陣でもあった。
4試合連続で先発のDF奥田勇斗(23)は「試合前にボス(パパス監督)から、今日は歴史を変えるぞと言われていた。魂を込めてプレーした。何度もオフサイドがあったが、最後まであきらめない力があった」と振り返る。
鹿島のレオ・セアラ、鈴木という強力2トップに立ち向かったDF西尾隆矢(23)は「何回もオフサイドになったが、神様が見ていてくれたのかな。(昨季まで2年間同僚だった)レオには絶対にやらせたくなかった。この試合を、さらに歴史を変える1戦にしないといけない」。
アンカーの位置でFW中島元彦(25)に次ぐ、12・340キロの総走行距離をマークした主将のMF田中駿汰(27)は「オフサイドがあっても、気持ちは切り替えた。僕的にはPKで失敗しても(それで得た)CKで決めると思っていた。決まったから言うわけではありませんよ(笑い)」。
再三に及ぶプレスバックで守備に貢献したMFルーカス・フェルナンデス(30)は、最後の決勝点をCKのキッカーとして演出。「PK失敗で精神的なダメージはあったが、まだ時間はあった。CKに集中した。勝利に値した試合だった。最後に決まってよかた」。
シュート数はC大阪の14本に対し、鹿島は5本に封じ込めた。守備はほぼ危なげない試合運びだった。
これで3勝3分け4敗の勝ち点12で暫定12位に浮上した。大混戦のJリーグで油断はできないが、チームに自信と勢いを生む1勝になった。