
<フランスリーグ:RCランス0-2スタッド・ランス>◇11日◇第29節◇ランス
スタッド・ランスの日本代表MF中村敬斗(24)が、日本人5人目の快挙だ。RCランス戦で2ゴールを決めて今季リーグ通算11得点。欧州5大リーグで5人目、フランスリーグでは日本人初の2桁得点を記録した。前半33分、後半43分に決めて2-0の勝利を呼び込んだ。歴史に名前を刻んで、降格の危機にあるチームを奮い立たせた。
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持ち前のシュート技術を見せつける2発で、歴代の名選手たちが名を連ねる2桁ゴールを達成した。
前半33分、左サイドからの低いクロスに右足インサイドで合わせて決め、後半43分にはロングカウンターの場面で長い距離を走って追加点を決めた。2点目の場面では、速攻の好機にドリブルで運ぶ味方と並走。最後はペナルティーエリア内でのパスを、得意の左45度からゴール右に流し込んだ。打った瞬間に足をつるほど激走してのゴールに、顔をゆがめながら喜んだ。
イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス。欧州5大リーグでの日本人2桁ゴールは、中田英寿、高原直泰、香川真司、岡崎慎司(2度)に次ぐ5人目。フランスでは昨季MF南野拓実(モナコ)が決めた9得点を抜いて日本人最多。日本代表でも17試合8得点と決定力の高さを見せるアタッカーは「カウンターの場面で自分がトップスピードの状態で入っていけるのは、身体能力の高い選手がほとんどの中でやっている日常があるから。それが成長している理由」と話す通り、フランスの厳しい環境で力を伸ばした。
左サイドからのカットインでのシュートが代表的だが「自分の形じゃなくても取れるようにならないといけない」と多くの得点パターンを模索したことがゴール量産の要因。クロスに飛び込んでネットを揺らし、縦突破でチャンスメークするなど多彩な動きを見せる。24歳の止まらない進化が、偉業達成につながった。