
<東都大学野球:青学大5-0中大>◇第1週第2日◇8日◇神宮
昨年の王者・青学大が中大に雪辱し、1勝1敗とした。
初回、1死二塁から小田康一郎内野手(4年=中京)がインコースの真っすぐを捉え、大学通算6号となる右越え2ラン本塁打で先制すると、2回には初谷健心内野手(4年=関東第一)の右越えソロ本塁打などで3点を挙げた。
投げては先発のヴァデルナ投手(4年=日本航空)が7回を1安打無失点に抑える好投。8回からは鈴木泰成投手(3年=東海大菅生)につなぐ完封リレーで逃げ切った。
1球1球、全力投球で投げきった。先発のヴァデルナは「後ろには鈴木がいるので、最初からバチバチで行こうって思いました」。7四死球で制球を乱しながらも、要所では得意のスライダーでピンチをしのいだ。昨春は、抑えでリーグ優勝、大学選手権優勝に貢献したが、秋は不調のため登板はなし。「悔しかった。今季は絶対に活躍しようとリーグ戦に挑みました」。フォームを試行錯誤しながら、右手の位置を少し下げると「いい感覚で投げられるようになった」と、オープン戦でアピール。好調を維持したままリーグ戦に入り結果を残した。
昨年に続き、チームがスローガンに掲げているのは「全員戦力」。前日には、23年春以来の開幕戦での敗戦を喫したが、チームは気持ちを切り替え2戦目に臨み、昨秋、終盤で右手の有鉤(ゆうこう)骨骨折で戦線離脱をした小田の本塁打に、登板機会の無かったヴァデルナの好投で、勝利をもぎとった。安藤寧則監督(47)は「勝負ごとですから。とにかく1枚岩で、やってきたことを必死にやる。それだけでした」と、勝負の厳しさを説く。選手層の厚さで、王者・青学大の強さを見せつけた。