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【横浜】朴一圭「キーパーがゼロで抑えれば負けることがない」一喜一憂しない淡々とビッグセーブ


横浜F・マリノスのゴールキーパー朴一圭が、ガンバ大阪戦で数々のビッグセーブを見せ、チームに今季初勝利をもたらした。試合は横浜が2-0で勝利。朴は前半から後半まで、フォワードからの20本ものシュートを全て防ぎ、完封に貢献した。朴は試合後、Jリーグの選手たちのタフさを称えつつ、ディフェンス陣との連携を評価。彼の指導の下、チームは守備力の強化に成功しており、公式戦では9試合でわずか4失点という成績を誇る。朴の守備は、ホーランド監督も「瞬発力や予測の良さが光る」と高く評価。2019年からのJ1キャリアの中で、彼自身の成長とディフェンスリーダーとしての役割が際立っている。

横浜対G大阪 試合後、笑顔を見せる横浜GK朴一圭(撮影・江口和貴)

<明治安田J1:横浜2-0G大阪>◇16日◇第6節◇日産スタジアム

横浜F・マリノスの守護神、朴一圭(パク・イルギュ=35)がビッグセーブを連発し、チームに今季初勝利をもたらした。

ガンバ大阪に主導権を握られる中、前半13分のジェバリのシュートは左へ跳んでセーブ。続けて同15分にはフリーで抜けた山下のシュートを難なくセーブ。そして前半終了間際の山下の振り向きざまのシュートも、横っ跳びではじき出した。

後半もゴール前に押し込まれる展開が続く中、勇敢に体を張った。24分にはジェバリと激突しながらハイボールをキャッチ。その後も枠内シュートをことごとくセーブし、終わってみればシュート20本を打たれながらの完封勝ち。横浜のシュート数が7本だったことを考えれば、負けてもおかしくない展開をゼロで乗り切ったことが勝因だった。遠野、植中の鮮やかな2ゴールも、土台となる守備があってのものだった。

朴は「今日は一番打たれましたか? ACLと違ってJリーグの選手は勤勉で最後までタフに頑張る。G大阪は個々のクオリティーが高いし、頑張ってもシュートは飛んでくる。それでも最後までしっかり(DFが)いてくれるから、正面飛んできたり、自分が反応しやすいところ来る」とチーム一体となったディフェンスをまずは評価した。

とはいえ、DF陣がコースを切ってくれてもこんなにセーブできるものではない。しかも淡々と、事もなげにミッションを遂行していく。まさに必殺仕事人である。

昨季リーグ戦38試合で62失点だった横浜は、ホーランド監督のもと守備の立て直しから取り組んでいる。その効果は出ている。今季はACL含めた公式戦9試合でわずか4失点。そこで、全試合フル出場中の朴の存在は際立っている。ホーランド監督は「今日も素晴らしいパフォーマンスだった。見ての通り彼は決して体は大きくない(身長180センチ)。だが瞬発力だったり、予測がいい」と絶賛する。そして「彼は何より人間性が素晴らしいし、ロッカーでの振る舞いも最高だ」と付け加えた。

埼玉県出身。朝鮮大卒業後はアマチュアの関東社会人リーグでプレーするなど、段階的に成長してきた苦労人。J1で初めてプレーしたのも、30歳を迎える2019年のシーズンだった。積み重ねが大事だと誰もが知るところだが、それをこの年齢になるまでやり続けていることこそが「努力の天才」にほかならない。

キーパーとしてハイラインの背後のケア、ビルドアップなど仕事は多岐に渡る。そんな中でも朴の信念は「キーパーがゼロで抑えれば負けることがない」だ。持ち前のコーチングでDF陣を動かし、グループ一体となって守るスタイルはJリーグきっての職人芸だ。「自分が意識してきたことがビッグクラブでもできている」と手応えを口にする。

「1人でやっていない。DF陣と連係すれば、届かないボールにも届くし、触れないシュートにも触れる。武器としているのはコーチング。190センチの上背があるキーパーにも負けないようにやっています」

鳥栖を経て4年ぶりに復帰した横浜で、より大きな花を開かせようとしている。【佐藤隆志】

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