
<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE):横浜4-1上海海港>◇11日◇ラウンド16第2戦◇日産スタジアム
横浜F・マリノスが上海海港(中国)を4-1と圧倒し、2戦合計5-1で昨季に続いて8強入りした。 得点力が目についた試合にあって、縁の下の力持ちとなったのが宮市亮(32)だった。プロ15年目。アタッカーとして鳴らした元日本代表だが、右サイドバックでフル出場した。
2月12日の上海申花戦を皮切りに1カ月間で8試合目。過密日程に伴い負傷者は続出する。特にDFラインは渡辺泰、松原が不在となる中、前日にスタメン出場を伝えられた。持ち前のスプリント力を武器にアップダウンを繰り返し、体を張って相手を止めた。チームに与える影響は大きかった。満身創痍(そうい)のチームに勇気を与えるプレーだった。
これまでウイングバックではプレー経験があるが、4バックのサイドは新たなチャレンジとなる。
「この前(第1戦)の上海で(途中から)右サイドバックで出たので、今後こういう起用もあるかなっていうのは(ホーランド)監督に言われていましたので、もしケガ人とか出たらそこで起用されるかなとは自分なりに思っていました。勝てたことが何よりですし、こううやってサウジアラビアに行くことができたっていうのが何よりです」
この日の自分のプレーについては「まだまだビギナーなんで。ラインの上げ下げとか、マークの付き方とか、ビルドアップのところとかまだまだ不安なところはあるんですけど。その中で僕を使ってくれてますし、その信頼に応えたいなと思っていました」
同じサイドバックを務める松原や加藤からはアドバイスがあるようで、「本当にチームメートに助けられた試合でした」と謙遜した。
この日の対戦相手、上海海港を指揮していたのは宮市にとっての恩人、マスカット監督だった。22年夏の日本代表戦で右膝前十字靱帯を断裂。当時は横浜を指揮しており、重傷を負った宮市を温かく見守ってくれた。
「監督時代に起用法について、細かく気を遣ってくれた方なので、あの人の存在があったから、まだこうして現役を続けられていると思います」。試合後はがっちり握手。「よくやったなという、頑張ってねという話をしました」。
そして昨季に続いてACLで8強進出。「新鮮な気持ちでプレーできています。(右サイドバックは)もしかしたら合っているかもしれませんし、楽しんでやれています。アジアのチャンピオンになって帰ってきたいと思います」。そう言って最高の笑顔を見せた。