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米国の「センシティブ国家」指定、韓国に衝撃 原因巡り与野党攻防も


韓国が米国エネルギー省による「センシティブ国」リストに含まれ、韓国国内に衝撃を与えています。韓国政府はこれが科学技術交流やエネルギー協力に影響を与えないよう対策を講じる方針です。米側はリストの追加が必ずしも敵対的関係を意味しないと説明していますが、国内では核武装論の高まりが原因と見られています。また、韓国政治の不安定さもこの決定に影響したとの指摘があります。駐韓米国大使との協議が求められています。

 核兵器を管理する米エネルギー省が、韓国を安全保障や核不拡散について特に注意が必要な「センシティブ国」に指定していたことが明らかになり、韓国国内に衝撃を与えている。

 韓国大統領代行の崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相は17日の会議で「米国との科学技術交流やエネルギー協力に悪影響を与えない」よう政府各部署に指示。また、安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源相に対し、週内にも訪米して米国側とこの件で協議するよう求めた。

 米エネルギー省は14日、ロイター通信の取材に書面で回答し、韓国をリストに追加していたことを認めた。バイデン前政権が1月20日のトランプ政権発足直前に追加を決め、リストは4月15日から正式に発効するという。

 ロイター通信の報道を受け、韓国メディアは「中朝露と同じ名簿に」「(リストの中で)『相互防衛条約』を結んだ同盟国は韓国だけだ」などと伝えた。米エネルギー省が2017年に公表したリストには、中国やロシア、北朝鮮、イランといった国のほかに、米国と関係は深いものの事実上の核保有国とされているイスラエルも含まれている。

 中央日報によると、米エネルギー省は「必ず敵対的関係を意味するわけではなく、相互の国家訪問や取引が禁止されるわけではない」と説明した。だが、韓国国内では原子力などの最先端分野での協力に影響が出ることを懸念する声が高まっている。

 米エネルギー省は韓国を指定した理由について明らかにしていない。韓国では、国内で高まる核武装論が原因だとの見方が主流となっている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は23年1月に「独自の核を保有することもあり得る」と発言。北朝鮮の核開発の進展を背景に、核武装を支持する国内世論も高まっているためだ。

 一方、今年初めというタイミングから、昨年12月の尹氏の「非常戒厳」発布以降、韓国政治が不安定化していることが影響したとの指摘も出ている。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は17日、「外交惨事で政府の失敗だ」と強く批判した。【ソウル日下部元美】

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