年間200台ものクルマに接するという萩原文博さんが選ぶ、予算別のおすすめSUV。予算300万円までならスズキ・ハスラー、予算600万円までならメルセデス・ベンツGLB、そして予算無制限ではロールス・ロイス カリナンをチョイス。日本で発売されたばかりのGLBは、走りとユーティリティが秀逸とのことだ。
TEXT●安藤 眞(HAGIWARA Fumihiro)
某出版社から年2回発行される、自動車全モデルガイドを製作していることもあり、フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良を行なった車種を中心に年間200台のクルマに接しています。2020年になってからでも、トヨタ・ヤリスクロス、トヨタ・ハリアー、フォルクスワーゲンT-ROCなど続々とSUVの新型車が登場しています。
そこで、私は勝手にSUVオブザイヤーということで、2019年10月から2020年9月までの1年間に乗ったSUVの中から価格別にオススメの3台を選んでみました。
予算300万円までなら「スズキ・ハスラー」
まず300万円以下クラスですが、このクラスが非常に悩みました。その理由はトヨタ・ヤリスクロスが登場したからです。しかし、このクラスでは軽自動車のスズキ・ハスラー、中でもアダプティブクルーズコントロールが装着された「ハイブリッドXターボ」としました。
見た目からは想像できない悪路走破性に加えて、高いボディ剛性を実現させるために、接着材を多く採用したいことで、軽自動車の域を超えた走行性能と静粛性を実現しているからです。現段階ではハスラーが軽自動車ナンバー1の実力車だと思っています。
予算600万円までなら「メルセデス・ベンツGLB」
600万円以下クラスでは、メルセデス・ベンツGLBをおすすめします。
GLAとGLBを同時に試乗したのですが、乗り味は全く異なっています。個人的にはGLBの路面からの入力を和らげたソフトな乗り味が非常に気に入ってしまいました。試乗したのは上級グレード、車両本体価格696万円の「GLB 250 4マチック」でしたが、このクルマならばもう終のクルマになっても良いかなと思うほど素晴らしい仕上がりでした。
3列シートはエマージェンシー的ですが、畳んでステーションワゴンライクに使用すれば走行性能、ユーティリティ面においてこのボディサイズでは無敵と思うほどで、競馬のWIN5が当たったら購入したい1台です。
予算が無制限なら「ロールス・ロイス カリナン」
最後の予算無制限で選ぶSUVは、文句なしにロールス・ロイス カリナンです。その圧倒的な存在感、魔法の絨毯のような乗り味。SUVとなってもロールス・ロイスの味は全く薄まっていません。
まぁ4000万円という価格を考えればそれくらい当たり前と思われるかもしれませんが、誰の期待も裏切らず具現化されている所にも感動しました。運転しましたが、いつかはリアシートに座って移動したい一台です。なので、年末ジャンボに夢を託したいと思います。
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。