
7月に新発売されたモデルだが、広く公開されたのは今回が初。公道を走れるカワサキの旗艦モデルとして最高最強を誇る超プレミアムモデル。一人乗りで、お値段はナント363万円である。
PHOTO&REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
空気を貫くようなカウルデザインが印象的なH2は、スパーチャージャーを搭載する唯一の量産車として知られる、世界最高峰の高性能スポーツバイク。フロントからのエアを積極導入するラムエア加圧を活用することで高速走行時はさらにパワフルになる。
今回は吸気チャンバー内にディフューザーが追加されて、パワーアップ。公道走行不可のH2Rに次ぐハイパフォーマンスを発揮する。
最高出力が200psのH2 SX SEよりもさらに強力。H2カーボンの最高出力はなんと231ps まで高められ、ラムエア加圧が作用すると、242psに向上するから凄まじい。まさに世界最速マシンなのである。
受注生産される明石工場では、一般の量産ラインとは別の専用ラインで組み立てられ、最大でも日産3台程度の希少車種である点も見逃せない。そしてアッパーカウルは、本物のカーボン素材が奢られている。
競技用のワークスマシンや航空機に活用例がある素材で軽くて高強度な事は、それがとても高価であることも含めて既に良く知られており、それを模したカーボン調仕上げの部品が出回っているが、これは窯で焼き入れされた紛れもない本物カーボンである。
アッパーカウルのみなので、軽量化への貢献度はそう多くはないだろうが、オーナーにとっては、それを誇れる(自慢したくなる)価値のあるポイントとなる事は間違いないだろう。
その他の外装部品には、少々の傷なら自己修復されるハイリーデュラブルペイントの最新上級版を使用して丁寧に仕上げられている。またスマホとの連携も充実。アプリからの制御や走行情報の閲覧もできるのだ。
購入できる人がそう多く無いことは容易に想像できるが、それを手に入れられたラッキーなオーナーは、Ninja H2カーボンを一生の宝物にできる事は間違いないだろう。フラッグシップモデルの価値が、さらに高められた超プレミアムな逸材なのである。



◼️主要諸元◼️
車名(通称名): Ninja H2 CARBON
型式:2BL-ZXT02J
全長×全幅×全高: 2,085mm×770mm×1,125mm
軸間距離 :1,455mm
最低地上高: 130mm
シート高 :825mm
キャスター/トレール:24.5°/ 103mm
エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ
総排気量 :998cm³
内径×行程/圧縮比:76.0mm×55.0mm/ 8.5:1
最高出力 :170kW(231PS)/11,500rpm
ラムエア加圧時:178kW(242PS)/11,500rpm
最大トルク:141N・m(14.4kgf・m)/11,000rpm
始動方式 :セルフスターター
点火方式 :バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式 :ウェットサンプ
エンジンオイル容量:5.0L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
ギヤ・レシオ :
1速 3.187(51/16)
2速 2.526(48/19)
3速 2.045(45/22)
4速 1.727(38/22)
5速 1.523(32/21)
6速 1.347(31/23)
一次減速比 / 二次減速比:1.551 (76/49) / 2.444(44/18)
フレーム形式 :トレリス
懸架方式 前:テレスコピック(倒立・インナーチューブ径43mm)
後:スイングアーム(ニューユニトラック)
ホイールトラベル:前 120mm
後 135mm
タイヤサイズ 前:120/70ZR17M/C (58W)
後:200/55ZR17M/C (78W)
ホイールサイズ 前:17M/C×MT3.50
後:17M/C×MT6.00
ブレーキ形式 前:デュアルディスク 330mm (外径)
後:シングルディスク 250mm (外径)
ステアリングアングル(左/右):27°/ 27°
車両重量 :238kg
使用燃料 :無鉛プレミアムガソリン
燃料タンク容量:17L
乗車定員 :1名
燃料消費率(km/L)※1:20.5km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、1名乗車時)
※2:15.3㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)※3
最小回転半径:3.4m
カラー: ミラーコートマットスパークブラック×キャンディフラットブレイズドグリーン
メーカー希望小売価格:3,630,000円
(本体価格3,300,000円、消費税330,000円