11月は全国的に平年に比べて気温が高く、特に、西日本と沖縄・奄美でかなり高くなりました。また、降水量は西日本日本海側では、1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨を記録しました。関東など東日本の太平洋側でも平年に比べて多くなりました。
●気温 西日本と沖縄・奄美で平年よりかなり高かった
気象庁は2日、11月の天候のまとめを発表しました。
11月の特徴は、
〇気温は、中旬を中心に寒気の影響を受けにくかった西日本と沖縄・奄美でかなり高くなりました。
〇降水量は、東・西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多くなりました。
降水量は、低気圧や前線の影響を受ける時期のあった東・西日本日本海側と、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でかなり多くなりました。西日本日本海側では1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨となりました。
〇日照時間は、北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なくなりました。
日照時間は、高気圧に覆われやすかった北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多くなりました。一方、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美で少なくなりました。
●11月の概要
北日本では上旬後半に、沖縄・奄美では下旬後半に寒気の影響を受けたものの、中旬は全国的に寒気の影響を受けにくく、沖縄・奄美では暖かい空気が流れ込みました。このため、月平均気温は西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本で高くなりました。
上旬はじめは西日本日本海側を中心に台風第21号から変わった低気圧や前線の影響を受け、中旬は沖縄・奄美で台風や湿った空気の影響を受けやすく、下旬は東日本日本海側を中心に低気圧の影響を受けました。一方、中旬以降は北日本を中心に高気圧に覆われやすくなりました。
このため、月降水量は東・西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、東・西日本太平洋側で多くなりました。
月降水量平年比は西日本日本海側で240%となり、1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨となりました。月間日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なくなりました。
平均気温は、西日本、沖縄・奄美ではかなり高く、北日本、東日本では高くなりました。
降水量は、東日本日本海側、西日本日本海側、沖縄・奄美ではかなり多くなりました。東日本太平洋側、西日本太平洋側では多くなりました。北日本日本海側、北日本太平洋側では平年並となりました。
日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では多くなりました。沖縄・奄美では少なくなりました。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並でした。
●富士山初冠雪の最晩記録など、異例ずくめの11月
11月は後半を過ぎても、異例の暖かさが続き、多くの初記録が観測されました。
11月17日には、高知市でや鹿児島市などで最高気温が25度以上になり、11月の夏日日数最多記録を更新しました。
※高知市では7回目、鹿児島市で9回目
また、北日本でも気温が高く、北海道の網走市では11月17日に最高気温が20.2度まで上がり、網走市で11月後半(16日~30日)に最高気温が20度以上になったのは初めてのことでした。
富士山の初冠雪は、11月7日に観測され、1894年の統計開始以来、最も遅い初冠雪となりました。
甲府地方気象台の観測で、平年(10月2日)より36日遅く、昨年(10月5日)より33日遅い初冠雪となりました。
平年より1か月余り遅れ、130年前に統計を取り始めてから、最も遅い観測となりました。夏山シーズンが終了した後も、気温が高い日が続いたことが観測の遅れた要因だと分析されています。