PKI(Public Key Infrastructure)は、インターネット上で安全にデータをやり取りするための仕組みの1つで、「公開鍵暗号」の仕組みを支える基盤です。PKIは、デジタル証明書を発行し、これを用いて通信相手の信頼性を検証します。この技術は、電子商取引やオンラインバンキング、電子署名など、現代社会の多くのシステムに組み込まれています。
PKIの基本は「公開鍵」と「秘密鍵」のペアに基づいています。公開鍵は誰でも利用できる形で配布されますが、秘密鍵は厳密に所有者のみが保持します。公開鍵を使って暗号化したデータは対応する秘密鍵でしか復号できないため、安全な通信が可能になります。
PKIの中心的な役割を果たすのが「認証局(CA: Certification Authority)」です。CAは公開鍵と所有者の関係を証明するデジタル証明書を発行します。この証明書は、通信相手の公開鍵が信頼できるものであることを保証します。ブラウザやデバイスは、この証明書を検証して通信の安全性を確認します。
PKIの利点には、データの機密性、改ざん防止、送信者の正当性の保証が含まれます。ただし、信頼性を確保するためには、認証局自体のセキュリティが重要です。また、証明書の管理や有効期限の管理が欠かせません。PKIは単独で使用されることは少なく、多くのセキュリティ技術と連携して、包括的な安全性を提供します。