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【甲子園】日大三・三木監督の最後の言葉「胸を張っていい。笑って帰るぞ」涙のミーティング/全文


沖縄尚学対日大三 試合に敗れ宿舎に戻り、涙ながらに選手たちに話をする日大三・三木監督(撮影・前田充)

<全国高校野球選手権:沖縄尚学3-1日大三>◇23日◇決勝◇甲子園

日大三(西東京)が沖縄尚学に競り負け、14年ぶりの夏の優勝を、あと1歩で逃した。

試合後、兵庫県内のホテルに戻り「最後のミーティング」を行った。選手たちのすすり泣く声が響く中、三木有造監督(51)は、ひと言、ひと言、言葉を選ぶように、涙で時折声を詰まらせながら、選手たちに優しく語りかけた。(以下全文)

   ◇   ◇   ◇

準優勝だったけどな、本当にごくろうさん。おめでとう…。な…絶対…悔しいなぁ…。勝たせられなくて、本当申し訳ない。やるべきことをやらないで…。みんなにはやるべきことをやれって言ってて…なぁ本当、最後俺が…勝たせられなくて…本当申し訳ない…。

でもな、3年生が本当によく頑張ってくれた。だってな、4月の最初の頃を考えたら、こんなところまで来られるなんて思っていなかった。みんながひとつになってくれて。とくに3年生がひとつになってくれて。本当にすばらしいチームになったなぁ。

こんちゃん(近藤優樹投手)頼みだったピッチャー陣も、谷津(=輝)に山口(=凌我)と。本当によく投げてくれた。松岡(=翼)ごめんな。バントばっかりやらせて…な。本間(=律輝)、よく打ったよ。この中に、プロ野球選手になれるヤツがいるか? そういう選手がいない中でも、これだけできるんだ。必死ぶっこいて。一生懸命努力して。そういうことがつながってくるんだ。…3年生が…信じて…ひとつになって頑張ってくれたな…。こういう時に、気の利いたひと言が言えればいいんだけどさ。負けると悔しいし。本当に…あと…ちょっとで届くところだったのは、監督の責任だ。みんなは本当に胸を張っていいんだぞ。

3年生な、みんな日に日にいい顔になって。何とかチームのために、って。本当にすごい。準優勝だ、準優勝! 日本で2番目なんだ。よく頑張った。立ち振る舞いも、かっこよかったぞ! みんないい男になった! ほら、泣くなよ(笑い)。本当、いい思いをさせてくれてな。俺からはありがとうしか言えない。胸張って、な、帰ろう。笑って帰るぞ。

  ◇   ◇   ◇

選手たちのすすり泣く声だけが、ミーティングの部屋に響き渡った。

三木監督は、23年4月に監督に就任し、現3年生は“三木体制”の1期生となる。コーチ時代と変わらず、選手たちとのざっくばらんな会話を大事にし、朝5時30分からともに練習。1つ1つ積み重ね。束になって1戦1戦勝ち抜いた。最後に、三木監督は選手たちにこう話した。「何年後になるかわからないけど、絶対に勝ちきれるチームを作るぞ」。ここが、“三木日大三”の始まりかもしれない。【保坂淑子】

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