
<ドジャース1ー11アスレチックス>◇13日(日本時間14日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)13日(日本時間14日)=斎藤庸裕】ドジャース佐々木朗希投手(23)が、長期離脱する可能性が出てきた。アスレチックス戦の試合前、右肩のインピンジメントで負傷者リスト(IL)入りすることが球団から発表された。ロバーツ監督によると、数週間前から同カ所に違和感があったという。先発では開幕から左腕ブレイク・スネル投手(32)、右腕タイラー・グラスノー投手(31)ら主力投手が続々と故障で離脱。苦しい台所事情が続く中、チームにとってさらなる痛手となった。
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佐々木はチームがアスレチックス戦で大敗後、表情を変えることなく足早に球場を後にした。開幕から主戦投手の山本由伸とともに先発ローテーションを守ってきたが、無念の離脱。ロバーツ監督は今後について「タイムラインは全くない」とした上で「どれくらいの期間になるかは分からないが、ノースローの期間が必要になる」との見通しを明かした。
3日のブレーブス戦でメジャー初勝利を挙げたが、初の中5日となった9日のダイヤモンドバックス戦では5回途中を5安打5失点と崩れた。日本時代と比べ、球速も大幅にダウン。ロバーツ監督によれば「ここ数週間、違和感があった。チームの状況を踏まえて、自分のパフォーマンスに支障が出るまで彼は投げ続けようとしてくれていた」という。佐々木はチーム休養日の12日に検査を受け、右肩の故障が発覚。結果的には、違和感を抱えながら登板を重ねたことで戦列から離れる事態となった。
球団としては、復帰に向けて慎重に進めていくものとみられる。同様に右肩のインピンジメントでは、救援右腕コペックが60日間のILに入っている。同投手は2月の春キャンプから別メニューで調整を続け、ようやく5月8日にマイナー戦で実戦復帰。佐々木と症状が似ており、復帰までの見通しで参考例ともなりそうだが、ロバーツ監督は「推測することはしたくない」と話すにとどめた。
完全ノースローの期間を経て、右肩の状態を確認しながら投球練習を重ね、ブルペン入り、実戦想定の投球、マイナー戦でのリハビリ登板からメジャー復帰という流れを踏まえると、長期離脱となる可能性がある。昨季1年目だった山本も、右肩の故障で6月中旬から約3カ月離脱した。いずれにしても、故障者の続出で台所事情は苦しくなるばかり。佐々木が登板予定だった15日のアスレチックス戦は、救援陣をつなぐブルペンゲームとなる見込み。試練が続く。
◆ドジャース投手陣の状況 開幕時点では山本由伸、佐々木、スネル、グラスノー、メイの5投手が先発ローテーションで回っていた。スネルは2試合に登板後、4月6日に左肩の炎症で15日間のIL入り。グラスノーは5試合に登板後、4月28日に右肩の炎症でIL入りとなった。22年に16勝を挙げた右腕ゴンソリンが復帰し、ベテラン左腕のカーショーも5月17日エンゼルス戦で昨年8月以来の復帰登板が決まったが、依然として状況は苦しい。コペック、トライネン、フィリップスら昨年のワールドシリーズ制覇に貢献した中継ぎ陣も離脱中と災難が続いている。
<佐々木朗希の主な離脱>
◆21年 プロ2年目の5月に1軍デビュー。この年は全11試合のうち中9日以内の登板が2度だけ。登板間隔を十分に空ける起用となり、出場選手登録を9度抹消された。
◆22年 中6日先発が4度続いた4月に疲労を考慮して登録抹消(次回は中11日)。7月に右手中指のマメをつぶし中32日。9月には疲労回復が遅いとして登録抹消。
◆23年 5月に右手中指のマメのため中22日。7月には左脇腹肉離れのため、出場選手登録を抹消。復帰まで中47日かかった。
◆24年 上半身の疲労回復に遅れが見られるため5月に登録抹消(中14日)。6月には右上肢のコンディショニング不良により再び離脱。吉井監督は「また同じような症状だったらしい。中6日ではきついということだった」と説明。次回は中53日となった。