
WBC米国代表は14日、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジ外野手(32)が来春の第6回大会で主将を務めると発表した。
ジャッジは前回23年の第5回大会では、米国代表入りを辞退していた。当時はジーター以来のヤ軍主将に任命されたばかりで「ヤンキースをあるべき場所に戻すために大きな存在になりたかったので、最初の春季トレーニングを欠席するわけにはいかないと思った」と、自宅で準優勝を見届けた。昨季はヤ軍を15年ぶりのア・リーグ優勝に導き、機は熟した。
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◆背景 開幕後、間もないこの時期に、早々と26年WBC米国代表主将としてジャッジの就任が発表された。前回大会で、トラウトの主将就任が発表されたのは球宴期間だったことからも、米国の本気度が一段と増したことは間違いない。
17年の第4回大会で初制覇した米国は、それまでの「親善試合」の雰囲気からWBCを真剣勝負の舞台として捉えるようになった。開幕前の開催でもあり、当初は実績のあるベテラン選手がオープン戦の延長のような調整感覚で出場していた感もあったが、日本だけでなく、中南米各国でも盛り上がりを見せ始め、スポンサーを含め興行的にも「うまみ十分」の国際的な大イベントになったことで、ようやく米国も本腰を入れるようになった。
その意味でも、前回の23年大会はMLBとしては、放映権料、広告料を含め、「決勝で米国が日本を破って連覇」が最善のシナリオとなるはずだった。ところが、終わってみれば、最後を締めくくった大谷に「おいしいところ」をすべて持っていかれた。前回出場したベッツが再出場を希望したのも、雪辱への決意の表れに違いない。巨額の資金が動くビジネスの上で、日程や開催地など不公平感がある実情も見逃せない。だが、長丁場の公式戦だけでなく、各国を代表するWBCへの熱意が増しているとすれば、野球界全体にとってプラス要素は数多い。【MLB担当=四竈衛】
【WBC米国代表予想布陣】
<1>(二)ムーキー・ベッツ(32=右・ドジャース)
<2>(中)アーロン・ジャッジ(32=右・ヤンキース)
<3>(一)ブライス・ハーパー(32=左・フィリーズ)
<4>(指)マイク・トラウト(33=右・エンゼルス)
<5>(右)カイル・タッカー(28=左・カブス)
<6>(三)ガナー・ヘンダーソン(23=左・オリオールズ)
<7>(遊)ロバート・ウィット(24=右・ロイヤルズ)
<8>(捕)アドリー・ラッチマン(27=両・オリオールズ)
<9>(左)スティーブン・クアン(27=左・ガーディアンズ)
◆先発投手
タリク・スクバル(28=左・タイガース)
ポール・スキーンズ(22=右・パイレーツ)
ブレーク・スネル(32=左・ドジャース)
ハンター・グリーン(25=右・レッズ)
ローガン・ギルバート(27=右・マリナーズ)
◆救援投手
タナー・スコット(30=左・ドジャース)
メイソン・ミラー(26=右・アスレチックス)
ライアン・ヘルズリー(30=右・カージナルス)