
<日本ハム2-7西武>◇13日◇エスコンフィールド
開幕12試合目にして、西武打線にようやく“理想”が訪れた。打率1割8分8厘と沈んでいた4番のレアンドロ・セデーニョ内野手(26)に今季38打席目で、待望の初アーチが出た。お笑いコンビ「オードリー」春日俊彰直伝の約束の“鬼瓦”ポーズ。お立ち台でも「さいこうです」「ほんとにめっちゃうれしい」と日本語が弾む。
低いライナーが左翼席まで届くと、ありあまる興奮でバットまで低く放り投げた。「やっと打つことができました」とホッとし、お立ち台を降りると獅子党に深々と一礼。初回の先制適時打も含め“4番セデーニョ”になった。若い西武打線ゆえ、勝つためには助っ人の役割は大きい。去年はそこが期待外れで、歴史的敗北に至った。
額に時折まいているハチマキは、カバンに入れるのを忘れていた。必勝と記された日の丸付きの一品。2月に古巣のオリックス・マチャドにもらった。「その気持ちがあるだけでモチベーションが違います」。気持ちは新天地でも同じ。前日の試合前は長谷川、この日の試合後は山野辺。不意のバックハグが、今の仲間たちへの思いの証しだ。
開幕3連敗。日本ハムの強さを実感した上で、チームは引き締まった。緊迫の敵地3戦を今度は2勝1敗で勝ち越した。西口監督も「開幕でやられた投手にやり返せたのが非常に大きい」と話す。仮にここも3連敗なら借金6だった。それが借金2で次のオリックス戦へ。古巣相手に「レオ」と呼ばれる主砲が完全に目覚めれば、獅子反攻の始まりだ。【金子真仁】