
<楽天0-10日本ハム>◇10日◇楽天モバイルパーク
日本ハム北山亘基投手が26歳の誕生日に今季2勝目を挙げた。楽天戦に先発し、打線からバースデープレゼントとなる大量援護を受けて6回2安打8奪三振無失点と快投した。1年目の22年4月10日も救援勝利を挙げており、2度目のバースデー勝利は球団史上2人目というレア記録で、チームを今季2度目の同一カード3連勝に導いた。
◇ ◇ ◇
北山は楽天モバイルパークを後にする間際に「1個だけ」と自ら切り出した。
北山 楽天のレフトスタンドのみなさんも、インタビューの後に『おめでとう』って言ってくれて、すごくうれしかったです。
敵地でヒーローインタビューを受けた直後に、応援団がハッピーバースデーの曲を演奏してくれた。最後まで耳を傾け、日本ハムファンの声援に応えた後に左翼側を見ると、残って見守ってくれていた楽天ファンが26歳の誕生日をお祝いしてくれていた。敵味方も関係ない、温かな対応に感謝でいっぱいだった。
試合では頼りになる超強力打線に感謝した。4回までに12安打8得点の大量援護。「野手のみんなが、もうこれでもかっていうぐらいの援護点をプレゼントしてくれた」。変化球主体になってしまった前回登板の反省も踏まえて直球主体で8奪三振。2、4回は四死球が絡んでピンチを迎えても要所で踏ん張れた。
今季初先発だった2日ソフトバンク戦は6回を投げきれずに降板していたが、この日は6回をきっちり無失点で投げ終えた。「上げてもらったマウンドを完結できたのでよかったけど、欲を言うと、もう1イニング行けるように。途中で球数がかさんだせいで行けなかった。次に向けた課題」と反省しながらも3年前に続いて誕生日にまた“最亘基”な思い出が加わった。
北山 プロに入って2回も誕生日で勝てるなんて思ってもなかった。すごく幸せなこと。産んでくれた両親にまず感謝と今日まで支えてくれた皆さんにいい形で恩返しできたんじゃないかなと思います。
バースデー勝利2度は、球団では通算364勝の大投手、尾崎行雄が65、66年に記録して以来2人目という珍しい記録だ。そんな巡り合わせも引き寄せるのも謙虚な気持ちと飽くなき向上心があるからこそ。2戦2勝の“持ってる”北山が次も進化して、チームを勝利に導く。【木下大輔】
▼4月10日生まれの北山が22年楽天戦に次いで2度目のバースデー勝利。誕生日に勝利が多い投手には4月27日生まれの水谷則(ロッテ)8月30日生まれの梶間(ヤクルト)の4勝がいるが、日本ハムの投手で2勝は、東映時代に9月11日生まれの尾崎が65年東京戦と66年近鉄戦で白星を挙げて以来2人目。