
<日本ハム3-1ソフトバンク>◇2日◇エスコンフィールド
会心の「恩返し弾」だ。昨オフの現役ドラフトでソフトバンクから新加入した日本ハム吉田賢吾捕手(24)が、7回に試合を決定づけるプロ初本塁打を放った。古巣相手に「1番左翼」でスタメン抜てきされ、期待に応える移籍後初安打が右翼ブルペンへ飛び込む値千金の1号ソロ。鋭い観察眼から強烈な一発を浴びせて、新庄監督就任4年目で初の単独首位浮上に貢献した。
◇ ◇ ◇
日本ハム新庄剛志監督(53)が独創的な選手起用で、現体制初の単独首位に立った。今季ソフトバンクから現役ドラフトで加入した吉田賢吾捕手(24)を「1番左翼」でスタメン起用。1点リードの7回、先頭で値千金の右越えプロ1号を決め、勝利を呼び込んだ。
抜てきした指揮官は「今日のホームランはうれしかった。本人はね、本人はいろんな思いの中でね」と第一声。「今日、ソフトバンク戦じゃなかったら出してるかな…。そういうの、僕は大事にしてるんで。それを結果で答えてくれて、めちゃくちゃうれしかったです」と喜んだ。
前カードまで4打数無安打の新戦力の1番起用を思いついたのは意外な場所だった。「昨日、ツルハドラッグにヘアカラー剤を買いに行くときに決めました」。野球と離れ、街角にちょっと買い物にでかけた瞬間にひらめいた粋なプラン。古巣相手にプロ1号を放つという極上のストーリーこそが大事で、単独首位に立ったことを聞かれると「その質問がセンスない(笑い)。徹夜で質問を考えといてください」と一蹴した。何とかしたいという必死さも指揮官の大好きなごちそうだ。吉田は5回無死一、二塁でボテボテの投前へのゴロを放ち、一塁にへッドスライディング。相手守備の乱れを突いて出塁し、先制点をお膳立てしていた。指揮官は「ピッチャー前のバントじゃなかった? スイングしてた? ああいう気持ち大事です。それがあったからホームランにつながったかも」とジョーク交じりにたたえた。
右投手から放った逆方向への長打。新庄監督は「パンチ力ありますね。レフトが97メートルで、ライト99メートルって知ってました? 99メートルを、あの弾道でホームラン打てる技術。右ピッチャーに対してもあれができたら、使い道がまた広がりますね」。雪解け始めた北海道で、また生きのいい新芽が芽吹きだした。【永野高輔】