
<センバツ高校野球:健大高崎1-5横浜>◇28日◇準決勝
<敗戦を越えて:健大高崎・石垣元気投手(3年)、佐藤龍月(りゅうが)投手(3年)>
健大高崎(群馬)が横浜(神奈川)に敗れ、連覇の夢は道半ばでついえた。救援に失敗したエース石垣は「負けたのは自分のせいです」と敗戦の責任を背負い込み、7回に代打で登場も遊飛に倒れた佐藤龍は「チームの流れを変える一打を打ちたかったですけど、うまくいきませんでした。助けられる申し訳ない」と、唇をかんだ。
前回大会の背番号1は佐藤龍だった。決勝の報徳学園(兵庫)戦は右の石垣、左の佐藤龍の継投で群馬県勢初のセンバツ優勝に貢献した。あれから1年。2人の立場は変わった。
石垣は昨秋の関東大会で最速158キロを投じ、日米のスカウトが熱視線を送る存在に。一方の佐藤龍は昨夏の群馬大会優勝後、左肘の痛みが限界に達してトミー・ジョン手術を決断した。懸命にリハビリに励む盟友のために、石垣は試合用の帽子のつば裏に「龍月の分まで」「王様(キング)オブエース」と書いた。
「龍月の思いも背負って」と背番号1で臨んだ今大会だったが、2点を追う5回に横浜打線の集中打を浴び3失点。準々決勝の花巻東(岩手)戦で計測した甲子園最速タイの155キロ超えを期待されたが、この日の最速は154キロと及ばず「(直球が)コントロールできず全然ダメでした」と猛省した。
甲子園を沸かせた剛腕は「とにかくケガをしないように」と先を見据えた。一方の佐藤龍は、投手再開を視野に練習に励む。最後の夏は、ダブルエース復活で聖地に戻る。【平山連】