<全国高校サッカー選手権:前橋育英3-2帝京大可児>◇2日◇3回戦◇駒沢陸上競技場
初のベスト8進出を懸けた帝京大可児(岐阜)は、善戦及ばずに3回戦で敗退した。
全国優勝の経験を持つ前橋育英(群馬)に2点先行を許したが、前半のうちにMF明石望来、主将FW加藤隆成(ともに3年)の連続ゴールで同点に追いつき、流れを完全に引き寄せたかに思われた。
だが同33分、ペナルティーエリアを飛び出したGK水野稜(2年)が、相手の得点機を体当たりで止めて一発退場。中盤の人数を削り、GK緒方琉太(3年)を投入し、10人で戦うことになった。
それでも数的不利を思わせない、互角の戦いを演じていたが、後半36分に決勝点を奪われた。10人になっても、自陣で守備に専念するのではなく、あくまでもゴールを狙いにいった。
仲井正剛監督(45)は「最初は頑張って(ボールを)つないでいたが(数的不利になり)守備で体力を奪われていって、選手は疲労があって押し込まれてしまった」と悔しがった。
さらに「リスクを負って、ボールをつなぐサッカーをやってきている。何回か失って失点するのも覚悟で、得点するためにボールをつないでいる。(選手は)帝京大可児のサッカーがやりたいと入ってきて、前橋育英に貫き通したんじゃないかと思う」と、信念を曲げなかった選手をたたえた。
途中から出場した代役守護神の緒方は、前半42分の相手決定機を右手でスーパーセーブ。後半も合わせて4、5度の絶体絶命の危機を救った。仲井監督は「急きょの出場だったが、よくやってくれた。常にいい準備をしてくれた」と、背番号17も称賛していた。