今年、史上5校目となる大学4冠を達成した青学大は19日、神奈川・相模原市内の同大グラウンドでの今年最後の全体練習を終えた。チームは20日、「第55回明治神宮野球大会中華民国派遣団(大学)」として、台湾に遠征。現地の大学、社会人と3試合を行い、27日に帰国する。
来年のドラフト候補にも挙がる最速152キロ右腕エースの中西聖輝投手(3年=智弁和歌山)は、朝5時30分から練習に参加。アップにノック、そしてブルペンで約50球を投げ込んだ。「調子は普段通り。神宮大会後も練習は続けていたので、台湾での実戦に向け調整しました」と、新チーム初の実戦に意欲を見せた。
今年は春季リーグ戦から先発に回りフル回転。今秋のリーグ戦では最優秀投手と投手部門のベストナインを獲得。大学通算負けなしの8勝。明治神宮大会では優勝投手に輝いた。「いい成績で終われたこと。また、4年生と最後は喜んで終われたことは、僕の野球人生の中でも大きな財産になりました」。1年で右肘を手術、2年までほとんどチームの戦力にはなれなかった(2年春2試合、秋2試合に登板)。地道な練習が今年、花開いた。
来年も「1番」を取る。今年の投球を振り返り「変化球で交わす投球、打ち取る投球が多かった。来年に向け、スピード、球威が加わって対策されても打たれない球を投げたい」と、話す。現在は、これまで腰の不安もあり避けてきた高重量トレーニングや走り込みを増やし、レベルアップを目指す。「春のリーグ戦ではまたひと味違った中西聖輝を見せられるように。1敗もせずに、また新たな伝説を作ればいいかなと思ってます」と、ニヤリと笑った。
来年も「1番」を目指す。「チームとしては、もう1回4冠をとりたい」と、話す視線の先には、来秋のドラフトも見据える。「2年連続でドラフト1位というのを目の前で見た。あの光景に、次は僕が当事者になれたらベスト。そのためには結果も残さないといけない。実力も十分に必要だと思うので。頑張ります」と、表情を引き締めた。
最強青学大のエースとして。来年は、人生「1番」の年にするつもりだ。