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【ソフトバンク】小久保監督「厄介な投手がいく」ロッテ移籍の石川柊太に警戒強める V旅行初日


ソフトバンクの小久保裕紀監督を含むチーム一行が優勝旅行のためハワイに到着した。しかし、旅行の途中で石川柊太投手のロッテ移籍が発表され、小久保監督は警戒感を強めた。石川はZOZOマリンスタジアムでの強さが際立っており、小久保監督は彼の対策に取り組む旨を表明。石川は今季9月に4戦4勝、防御率1.80の好成績を残し、ソフトバンクにとって来季の開幕ローテーション有力候補であったが、パ・リーグ内のロッテ移籍を選んだ。石川の移籍決定にチームは大きな損失を感じているが、他の投手陣へのモチベーションアップにもつながると考えている。

ワイキキビーチをバックにアロハポーズをする小久保監督(撮影・只松憲)

【ホノルル(米ハワイ州)10日(日本時間11日)=只松憲】アロハ~! ソフトバンク小久保裕紀監督(53)らチーム一行が、優勝旅行先のハワイに到着した。ナインは初日からエメラルドグリーンのワイキキビーチに興奮気味。指揮官もほぼ無計画でトロピカルアイランドを心待ちにしていたが、バカンスの途中にFA宣言していた石川柊太投手(32)がロッテ移籍を決断。ZOZOマリンで無類の強さを誇る右腕への警戒心を強め「石川対策」に着手する。

   ◇   ◇   ◇

ワイキキビーチに夕日が沈む。アロハシャツで「アロハ~」なバカンス気分を漂わせながらも、小久保監督は事態を冷静に受け止めていた。「自分の権利なのでね。もちろん残ってほしかったけど、自分が得た権利ですから」。FA宣言していた石川が、ロッテ移籍を決断。チームが現地時間の10日早朝にハワイ入国した数時間後、日本で正式発表された。

痛すぎる流出だ。「日本シリーズが終わった時点では(先発の)4番手が石川だった。9月に入ったぐらいから彼らしいパフォーマンスを発揮していたからね」。指揮官の言葉通り、石川は今季9月に4戦4勝、防御率1・80。残留すれば来季の開幕ローテーションの有力候補だったが、同じパ・リーグのロッテ移籍を決めた。ソフトバンクにとって最大の懸案は「ZOZO石川」の脅威だろう。

ZOZOマリンに吹く幕張特有の風は、石川の宝刀パワーカーブの変化量を増加させる。通算成績は18試合で7勝1敗、防御率2・47。今季も3試合に登板して2勝0敗、計12回を投げ7安打無失点だった。球場別で失点、自責ともに0だったのはZOZOマリンだけ。小久保監督は「あの風を味方に(する)やっかいな投手が行くというのは間違いない。今年だけじゃないからね。ずっとそんな感じ」と警戒を強め「しっかり対策を立てて真剣勝負でやっていきます」と石川攻略へ手を打つ。

初日からナインはエメラルドグリーンのビーチに興奮気味で、指揮官もほぼ無計画でトロピカルアイランドを心待ちにしていた。時差ボケで若干、睡眠不足だが、石川の決断に「残ったメンバーは余計にチャンスですよ」と投手陣に呼びかけた。来季の開幕ローテは有原、モイネロ、スチュワートが当確済み。若手の台頭を促すポジティブな面もある。まずは優勝旅行を全力で楽しみ、帰国後から石川撃ちのイメージを膨らませていく。【只松憲】

▽ソフトバンク石川(ロッテへのFA移籍が決まり、球団を通じてコメント)「(移籍先が)決まったことに関しては、まずはホッとしたというのが正直な気持ちです。福岡が大好きですし、自分を野球選手として育ててくれたのはまぎれもなく福岡であり、ホークスであり、ファンのみなさんです。長いようで短いようで、内容的にはとても濃い11年間でした」

◆石川柊太(いしかわ・しゅうた)1991年(平3)12月27日生まれ、東京都出身。総合工科-創価大を経て、13年育成ドラフト1位でソフトバンク入団。3年目の16年7月に支配下登録。20年最多勝、最高勝率。23年8月18日西武戦で無安打無得点を達成。通算56勝は育成ドラフト出身投手では史上2位。今季推定年俸1億2000万円。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。

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