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【映画大賞】外国作品賞「関心領域」を配給したハピネットは邦洋にまたがる当たり年/ロング版


第37回日刊スポーツ映画大賞で、「関心領域」が外国作品賞を受賞しました。この映画はジョナサン・グレイザー監督によるもので、アウシュビッツ収容所の恐怖を所長一家の視点から描いています。作品は、彼らの平穏な日常と収容所から聞こえる恐ろしい音の対比を通じて、収容所の恐怖を直接的な描写を避けて表現しています。これが評価され、米アカデミー賞でも国際長編映画賞と音響賞を受賞しました。小西啓介社長は、この企画に初期段階から参加し、その新鮮な手法に驚きを感じたと述べています。グレイザー監督は「日本での受賞は大きな喜び」とし、映画が反面教師として現代に生きる意義を示す希望を語っています。

外国作品賞を受賞した小西啓介氏(撮影・菅敏)

第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)の各賞が、先月27日の配信番組および28日付の紙面で発表されました。動画や紙面でお届けできなかった受賞者、受賞作関係者のインタビューでの喜びの声を、あらためてお届けします。

   ◇  ◇  ◇

外国作品賞はアウシュビッツ収容所の恐怖を独特の視点から描いた「関心領域」に決まった。

配給元ハピネットファントム・スタジオの小西啓介社長は「企画段階から参加したのですが、アウシュビッツの所長一家が収容所の隣に住んでいたというのがまず驚きでしたし、直接的な表現をいっさい使わずに収容所の恐ろしさを描く手法が私にとっては新鮮でした」と振り返った。

一家の平穏な暮らしと、壁の向こう側から聞こえる恐ろしい「音」の対比が評価につながり、米アカデミー賞では国際長編映画賞とともに音響賞にも輝いている。

スリラー作品で異彩を放ってきたジョナサン・グレイザー監督(59)は、この作品に10年を費やした。

「豊かな映画史を持つ日本での受賞は大きな喜びです。この作品が現代に生きる私たちにとって反面教師になることを願っています」とコメントを寄せた。

配給元の小西社長は邦画でも「本心」「ナミビアの砂漠」「箱男」「市子」など多くの秀作のプロデュースを手がけ、24年は文字通りの当たり年となった。【相原斎】

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