ソフトバンク柳田悠岐外野手(36)が日刊スポーツの新春インタビューに応じ、絶対的主力としての強い自覚を示した。
チーム最年長となる今季は既に開幕スタメンが内定済み。調整が一任されている状況下で「結局は自己責任」と慢心のない準備を誓った。復活を目指す25年は2年ぶり3度目の全試合出場にも意欲。昨季は右太もも裏を負傷して長期離脱を強いられただけに、悔しさをエネルギーに変える決意を語った。【聞き手=只松憲】
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★年齢考えずに
-和田が引退し、25年はチーム最年長になる
柳田 うーん、実はそこはあまり考えずにやっていこうかなと思っているところです。もちろん、チーム最年長になることはプロ入り前は全く想像もしてなかったことですよ。
-和田が引退して芽生えた感情はあるか
柳田 年上の選手がいなくなるのですごく寂しいなと感じています。それぐらいです。
-チームが若返りを図るなかで開幕スタメンが内定
柳田 もちろん自覚はある。任されているので。しっかりした準備をしてシーズンでいい結果を残したい。自分は任されていますけど、結局は自己責任なんで。オフにやった人は活躍するし、やらなかった人はダメになっていくだけ。どういう環境下であろうが、自分がしっかりやれば大丈夫かなと思っています。
-24年は日本一を逃した。今年こそ小久保監督を日本一の監督にしたい
柳田 去年は日本一になれずに悔しい終わり方をしたので、最後に笑って終われるようにしたいです。簡単ではないと思いますけど、最高の準備をしてシーズンに入れればいい。勝負の世界なんでね。勝つチームがいれば負けるチームもいる。準備をしっかりして入るだけかなと思います。
-DeNAの日本一の胴上げを見て感じたこと
柳田 うーん…なんて言ったらいいかは分かりませんが、記憶にはすごく残っています。
★優勝→日本一
-7年契約の6年目を迎えた。時の経過は早かった
柳田 いやいや、早くないです。長いっす…。
-今年を含めて契約はあと2年。どう過ごしたい
柳田 いい成績を残してリーグ優勝して日本一になることが最高のシーズンだと思う。そこは何年やっても変わらずです。毎年そこを目標にやってますし、今年はそれがかなうように頑張りたい。
-こだわりたい数字
柳田 やっぱり試合数ですかね。シーズン全試合に出ること。一番のこだわりです。
-小久保監督は主力は試合に出ることが一番と
柳田 まず試合に出ないと数字は残らないですし。この世界はダメだったら外される。試合に出続けているということは数字が残っているという証拠ですから。だから結果を残せば143試合に出られる。
-新年の抱負を
柳田 自分との勝負に勝ちたいし、チーム内の競争にも勝ちたい。今年はそれだけです。頑張ります。
■「ベストナイン これ頑張りますよ」
熟考の末、柳田は色紙に「ベストナイン」と記した。インタビューで話した抱負は「全試合出場」だが、そのハードルを越えた先に求める勲章がつかめる。昨年11月に行われたNPBアワードは欠席。球界のスターが集まる晴れ舞台に、いるべきミスターフルスイングはいなかった。
数あるタイトルの中でベストナインを選んだ。理由は「ベストナインです。ベストナイン。これ頑張りますよ」。多くを語らず不敵な笑みを浮かべるのも柳田らしい。ベストナインは打撃、守備、勝利貢献などあらゆる観点での記者投票。総合的な成績でチームに貢献するという決意の表れだった。
すでに過去8度の受賞で元監督の秋山幸二氏に並んでいる。衰え知らずの柳田ならば全試合出場で悲願のタイトルは射程にとらえるだろう。9度目、10度目も夢じゃない。右手は色紙。左手には25年の干支(えと)である巳(へび)の置物を持った。まだまだ長~い活躍をファンは待ち望んでいる。【ソフトバンク担当=只松憲】