日本のキャンピングカー市場では、バンコンバージョン、いわゆるバンコンが大きなシェアを占めている。扱いやすいボディサイズ、日常でも使える汎用性がその人気の要因だ。そんなバンコンの中で、暖かみのあるインテリアの雰囲気が支持を集めているのがTACOS（タコス）のHANAである。
TEXT●山崎友貴（YAMAZAKI Tomotaka）
HANAの温もりを感じさせるインテリアは機能性もしっかりと両立
バンコンと言えば、トヨタ・ハイエースや日産NV200バネットが主力車種となっているが、それで大きいという人にはトヨタ・ライトエースベースのキャンパーが注目されている。
5ナンバーサイズと同じ全長や全幅でありながら、優れたスペースユーティリティを持ったライトエースは、まさにベース車両にうってつけ。市場を見渡すと、いくつかビルダーからライトエースベースのキャンパーが発売されているが、中でも人気車種となっているのが、TACOS（タコス）の「HANA」だ。
このモデルの特徴は、何と言ってもインテリアの雰囲気。暖かみのあるウッディーな家具、そしてパステル調のキュートなトリムを多用することで、女性ウケが非常にいいのである。同社には男性ユーザーを意識した「NV Jack」というバンコンがあるが、その対極にあるようなモデルだ。
もちろん、どこかサンリオ的な雰囲気の漂うかわいいインテリアだけが、人気の要因ではない。しっかりとした機能に裏打ちされているのである。
同モデルはライトエースにキャンパー（ハイ）ルーフが装着されており、車内を立ったまま移動できるのが特徴だ。中腰になる必要がないため、身長がある人でも快適さを感じるはずだ。
バンク内はマットを展開することで、W1000×D1500mmという子供2名分の就寝スペースになる。もちろん、収納スペースとして使ってもいいだろう。
セカンドシートはバタフライ式で、停車時は後ろ向きに変えることができる。サードシートは停車時のみ使える横向きタイプで、セカンドシートと合わせると、L字形のダイネットを形成する。
このセカンド、サードシートをフラットにして、さらにベッドマットを1枚追加すれば、W1200（1050）×D1850㎜という大人2名分の就寝スペースにすることができる。
家具は車内後部に集約。実用的なシンクと40L冷蔵庫をひとつにまとめ、車中泊の快適性をサポート。冷蔵庫の蓋を閉めれば、調理台やコンロ台として使うことができる。さらに頭上にはオーバーヘッドキャビネットをインストールし、身の回りのものや食料などを収納することができる。
こうした後部の居住空間には、カーペットが敷かれており、家の感覚でくつろげるのがうれしい。さらにサブバッテリーに走行充電システム、集中電源も備えており、とりあえずベース車両のままでオートキャンプに行くことが可能だ。
ちなみにHANAには、セミダブルベッド仕様の「HANA 2」、ポップアップルーフ仕様の「HANA EVE」といった姉妹モデルも用意されている。用途や乗車人数に合わせて選ぶことが可能だ。
またトリム色や装備は、自分の好みに合わせてインストールできるので、購入時に相談してみるといいだろう。
オーナーズクラブもある大人気のタコス・HANA。気張らずキャンパーで旅してみたい...という人に、うってつけの1台だ。
