7月1日、日産自動車および宮崎日産自動車、日産サティオ宮崎は、都城市(宮崎県)ならびに株式会社九南と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。
日産が締結した自治体・企業との「災害連携協定」はこれで44件目
この協定の内容は、都城市が、『電気自動車の普及を通じて、地域の課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、九南が社の営業車として所有している電気自動車「日産リーフ」と、日産の販売会社である宮崎日産とサティオ宮崎が所有する電気自動車「日産リーフ」の試乗車を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というもの。
都城市は環境対策のひとつとして、「第二次都城市地球温暖化対策実行計画」を掲げ、地球温暖化対策に積極的に取り組んでいる。この計画は、2017年度から2022年度までの6カ年において、「エネルギー起源の二酸化炭素排出量を前年度比1.5%以上削減する」ことを掲げている。さらに、「エネルギー起源の二酸化炭素排出量を2030年度までに、2013年度比45%削減する」ことを目指す長期的な目標も示している。この取り組みの一環として、電気自動車の普及促進による大気汚染物質と温室効果ガスの削減を推進している。
また九南は、宮崎県都城市の地元の電力送電、配電会社として、「電気の持つ力を通して、人と暮らしの未来を創造する。」という「エレクトリック・コミュニケーション」たる企業理念のもと、人と電気の架け橋として、豊かな社会の実現に向けて取り組んでいる。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。
日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、都城市が地球温暖化対策として推進する、「第二次地球温暖化対策実行計画」、そして、九南の「電気を通じて豊かな人間社会の実現を目指す活動」と、それぞれの取り組みに互いが賛同し、今回、同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は、以下のとおり。
【協定の概要】
・九南、日産自動車および宮崎日産、サティオ宮崎は、都城市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、九南が所有する電気自動車「日産リーフ」と、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車「日産リーフ」を無償で貸与する。
・都城市、九南、日産自動車、宮崎日産、サティオ宮崎の協力により電気自動車からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・都城市、九南、日産自動車、宮崎日産、サティオ宮崎は、平常時も市の防災訓練などのイベントにおいて、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての災害時・停電時等の有効性や活用を市民へ積極的にアピールし、防災意識向上を目指す。
都城市では、現在、道の駅「都城」への電気自動車用急速充電設備の設置に向け、計画を進めている。また、今回の災害連携協定の締結を機に、EVの普及・促進に向けた更なる取り組みの検討も進めている。今後は、防災訓練で電気自動車を避難所等での非常用電源として活用する仕組みを広く市民に周知するなど、防災意識と地域防災力の向上を目指す。さらに、市が開催する環境イベントに協定各社が参加し、啓蒙活動を行うことで、市民の環境意識の向上も目指す。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを提供するとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指す。
今回の「災害連携協定」は、日産の「ブルー・スイッチ」活動に基づくもので、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で44件目となる。
都城市、九南、日産グループは、この協定締結を機に、今後も地球温暖対策を含む環境活動の推進や、電気自動車を活用した持続可能なまちづくりを推進していく。そして、地域防災力向上、環境活動での連携をさらに強化していく方針だ。