
608psというパワーを持ちながらも、あくまでもジェントルに仕立て上げているアストンマーティンDB11。長年培ってきたDBシリーズの世界観を継承しつつも、最新のDB11はさらに新しいGT(グランドツアラー)の世界観を加えている。その魅力を一流モータージャーナリストの清水和夫と、GENROQ WEBの野口が動画で証明する。
REPORTER◎清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/野口 優(Masaru NOGUCHI)
PHOTO &MOVIE◎小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
主義はあるものの、主張は控えめ。

今もっとも勢いを感じるアストンマーティン。その中でも中核を成すDBシリーズは、GT=グランドツアラーとして長年続けられてきた同社にとって代表的存在だ。しかも最近では、他社もその市場を狙い多くのライバルが存在する。それでもアストンマーティンは揺るぎない。それどころか、最新の「DB11」には、時代に見合った新しい風格すら持ち合わせている。

「アストンは、自分への最高のご褒美の時に買いたいね」
そう語るのは、モータージャーナリストの清水和夫。600psや700psを放つスーパースポーツカーからゼロエミッションのエコカーまで、ほぼすべてのクルマをテストし続けているとはいえ、アストンマーティンDB11は格別だという。
「性能が派手に出ていなくて、敢えて控えめにしているのがいい。よく言われるイギリスのアンダーステートメント、英国紳士の“たしなみ”だね。DB11は基本的にはスポーツカーなんだけど、GTとしての資質というものをもっているから、実にイギリス車らしいと思う」

ここで試乗しているのは、DB11のトップグレードとなるV12モデルだ。排気量は5.2リッター、V12エンジンにツインターボを組み合わせ、608psのパワーと700Nmの最大トルクを発揮し、最高速度も322km/hを誇る。
「V12というのは究極のエンジン。でも、アストンを選ぶ人にとって、パフォーマンスは関係ないと思う。私自身、アストンにそれを望んでいない。加速が何秒とか、最高速がどうのこうのとか、どうでもいいように感じてくる」

とはいえ、スポーツカーとしてはもちろん、GTとしても優秀だ。ただ、主義はあるものの、主張は控えめというのが、DB11の魅力なのだろう。
「このV12エンジンを心底味わうべきだね。まさに極上の世界。ロードカーとして最上のグランドツアラーだと思う。とにかく“やりすぎてない”のがいいね。それにハイグリップタイヤを履いているにも関わらず、乗り心地も良いしね。快適性が高いのにコーナリング性能もしっかりしているのも見事。イギリスのカントリーロードを走ることを意識して造られているのがよく分かる」

そして、清水和夫は、こう締めくくった。
「DB11は、ゆっくり走っている時と、飛ばしている時の感覚が同じなんだよね。こういうスポーツカーは他に見当たらない。デザインもDB11になって洗練されているし、デジタル表示のメーターになったけどアナログの雰囲気をちゃんと残りしているしね。こういうところも、アストンマーティンって上手いなって思う。まさに“スキ”のないヤツって感じだね」

この日、久々に京都周辺をDB11でドライブした清水和夫にとって、あらためてアストンマーティンの世界に気付かされたところが多いようだ。その模様を動画にて詳しくレポートしているので、併せてご覧頂きたい。美しい景色の中でみるDB11は、また格別であることが伝わると思う……。
【SPECIFICATIONS】
アストンマーティン DB11
■ボディサイズ:全長4739×全幅1940×全高1279㎜ ホイールベース:2805㎜ ■乾燥重量:1770㎏ ■エンジン:V型12気筒DOHCツインターボ 総排気量:5204cc 最高出力:447kW(608ps)/6500rpm 最大トルク:700Nm/1500〜5000rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:RWD ■ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン(電動式) ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ:前255/40ZR20 後295/35ZR20 ■パフォーマンス 最高速度:322km/h 0→100km/h加速:3.9秒 ■車両本体価格(DB11 AMR):2665万円(税込)※
※DB11(V12)の生産は終了。今後、V12モデルは「DB11 AMR」を販売。

![]() | ![]() |
![]() | ![]() |

