TOYOTA LAND CRUISER PRADO
UpStyle Project Vol.12
タフで頼れる相棒。
プラドほどのタフな移動ツールならば、一度は行きたいのがウインタードライブ。念願叶ってようやく新潟へと繰り出した。日本の雪道に最適なスタッドレスに履き替え、あらゆる状況下でその実力を感じ取った。同時にプラドの魅力を再確認することもできた。
ずっとオールテレーンやマッドテレーンなどオフロードタイヤを履いてきて、抜群の走破性はもちろん、たくましい姿カタチ、意外なほど快適な乗り味には満足していた。これならどんな路面であっても、ガンガン突き進んでいけそうだ。
だけど積雪地帯となると少しばかり話が変わってくる。フカフカのパウダースノーや圧雪路には強くても、氷結路では硬く大きなブロックのせいでむしろ滑りやすい。
日本の積雪地帯は、圧雪路やツルツルの氷上、シャーベット路、時おり姿を現す黒光りしたブラックアイスなど、刻一刻と路面状況が変わることが多い。そうした環境下を見据えたら、やっぱずりスタッドレスタイヤがいい。
今回、雪道へと繰り出すにあたって、ダンロップのウインターマックスSJ8を選んだ。ウインターマックス系のSUV向け銘柄であり、デルタフォース「オーバル」の17インチに合わせて前後265/70R17を装着した。
数あるスタッドレスの中でウインターマックスSJ8を選んだ理由は、オフロードタイヤ系が弱いとされる氷上性能がずば抜けて高いということ。そして、その持続性にある。乗用車向けのウインターマックス02では、4年先まで性能が持続することが謳われている。
さらにドライ路面で酷使しても、摩耗が少ないそうだ。もう春の到来がすぐそこという時期での交換だっただけに、このロングライフ性能は心に響いた。
雪のない都心部での街乗りや、高速巡航では、スタッドレスっぽい腰砕け感がなく、実に頼もしい印象だった。ステアリングの反応もナチュラルで好ましい。ロードノイズだってごく静かなもの。オフロードタイヤ系と比べたら雲泥の差だ。
これならカロッツェリア製スピーカーとサブウーファーが奏でる音楽をより楽しめる。楽ナビにインストールしたエキスパートチューニング(車種専用の音響チューニング)も手伝って、車内は快適そのもの。
ちなみに楽ナビ、知らない土地へ繰り出す際には欠かせない存在。だから今回、目指した新潟へだってアッという間だった。関越トンネルに近づく頃には辺り一面は真っ白。雪だって盛大に降り始めた。とはいえ、路面にうっすら雪が乗るような状態では、ウェット路の気分で走れる。高速道路を降りて山道を登っていく際も、プラド固有のトラクション性能を活かすかのようにグイグイと進む。
やっぱり強烈なのは雪上や氷上性能。自分の想定よりもずっと前で止まる。特に雪なのか凍っているのか、目視で判別できない下り道での安心感は申しぶんない。路面状況も手に取るようにわかるし、あらためてウインターマックスSJ8の凄さを感じた。
と、同時にプラドの魅力もより色濃く味わうことになった。ラダーフレーム構造であるがゆえに、雪道の振動とか騒音に対してフィルターが掛かったように、車内はいつも心地よい。車体の重さやソフトな足まわりも功を奏して快適に走れる。
中途半端にオンロードスポーツ性能を謳う昨今のSUVにはない、おおらかさな乗り味が逆にいいのか。命の危険と隣り合わせの僻地で活躍するような存在だからこそ、乗員を疲れさせない。必要から生まれた快適性みたいなものを感じた。
と、ますますこのプラドへの愛着が増している。東京と新潟を往復しただけで、87Lものガソリンタンクがほぼ空になったこと……、それ以外はすべて大満足のショートトリップだった。
重量級に対応する強靭設計 ドライ、ウェットも抜かりなし!
T 字型溝を持つ方向性パターンはSUV専用設計。雪をタテヨコでしっかりと掴むことで、強力なトラクション性能を発揮する。同時にセンターに縦方向で刻まれたダブルイナズマグルーブと、その脇に設けられた方向性のあるラグ溝が排水性を向上。ウェット性能、シャーベット性能を高めている。また、パターン全体の剛性を高めることで高重量、高重心のSUV特有のふらつきを防止。高速走行時の操縦安定性を高めている。車重の重いプラドにはピッタリだ。
氷に密着して止める圧倒的な氷上性能
ダンロップ独自の新ミウラ折りサイプによりエッジ成分を増加させたMAXXシャープエッジを採用。シャープな溝幅がブロックの倒れこみを抑制することで、接地面積を常に確保する。その上で無数のエッジがアイスバーンを引っ掻く効果をもたらす。ゴム自体も、新材料開発技術「4D NANO DESIGN」を駆使したナノフィットゴムだ。これによりブロック剛性を高めたままナノ領域のゴムの柔軟性でアイスバーンの凸凹に密着して氷上ブレーキ性能を向上させる。
圧雪路からシャーベット、完全に凍った氷上など目まぐるしく路面環境が変わるシチュエーションでは、オフロードタイヤよりもスタッドレスのほうが安心だ。プラド固有の走破性と相まって常に安心して走れた。
雪道とは関係ないものの、純正でメッキになっているリヤガーニッシュを黒く落とし込んでみた。国産SUV用パーツを手がけるGMG製のカラードリヤガーニッシュに交換したのだ。車名のみメッキが残るタイプで、グリルのマットラッピングと調和するようになった。
カロッツェリアの楽ナビ(AVIC-RL910)は、知らない土地へ繰り出す際に強い味方になってくれる。視界が悪い雪道では常に路面状況を注視するだけに、ナビの視認性の良さ、音声案内などが役立つ。交通規制が実施されていても、わかりやすく知らせてくれる。
スタイルワゴン2020年4月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]