2月某日…都内某所。
石畳の小径に、深海のような色合いの美しいタイプ993と呼ばれるポルシェ911(993)がやってきました。
ボディカラーの名称は“ターコイズグリーンメタリック”。
1996年製のポルシェ911カレラ(以下、993)から降りてきたのは、なんと31歳という若さのT.K.さん。
逆算すると、彼が小学校低学年のときに製造された空冷ポルシェということになりますが、いったいどのような経緯でこのクルマを手に入れるに至ったのでしょうか?
T.K.さんがクルマに目覚めたきっかけとは?
もともとこの993は、スポーツカー好きのお父様が所有していたクルマです。
子供のころから、当たり前のように実家にあった存在ですが、最初にクルマに目覚めたきっかけは、別段この993というわけではなかったそう。
「大学生のときに、クラスメイトが親のベンツに乗ってモテていたんです(笑)。ならば自分は…とBMWの購入を決意しました。けれど予算的にボロボロの318is(E36)しか買えず、しかもマニュアルというオチ…。でもあとから、このクルマは“ドイツのハチロク”と言われるほどの名車であると知り、さらに購入先が“走り系”のショップだったこともあり、そこから間違った方向(?)へと目覚めてしまいました」
キャンパスが郊外だったこともあり、思いのほか大学にはクルマ好きが存在したようで、318is購入後は自然と“モテ”より“走り”へ目的がシフトしたというT.K.さん。
仲間が増えるにつれ、おすすめのコースを教えてもらうようになり、バイトをしてはショップに入り浸り、そして走りに…という生活が定着したのだとか。
「車高調も入れて、内装もドンガラにして…。1300kgあった車重が1100kgくらいになりましたね。今思えばよくやったなぁと(笑)」
T.K.さん、学生ながらにしてさっそく気合い満々です!
ちなみにこの318is生活ですが、モディファイのほかにも、実は同モデルを4台乗り換えるなどもしており、バイト代はほとんどクルマに費やしていたそう。