シリーズ2回目となる「旧い車のデザインは秀逸なのか?」
今回は、各国で分かれるデザインの特徴を挙げてみることにした。現代のクルマに引き継がれているものもあれば、その逆もあると思うのだが、50年代から60年代の特徴あるテールデザインを参照しながら、その美学を考えていきたい。
魅惑のテールデザイン
はじめに申しあげておくが、筆者は決して「お尻フェチ」ではない。しかし、クルマに限ってはかなりの「お尻フェチ」なのかもしれない。フロントマスクのデザインはもちろんのこと、リアビューの美しいクルマには惚れ惚れしてしまう。
こと旧車に関しては現代では考えられないような「無駄の美学」とでもいうべきか、どのような発想から生まれたのかと思うような秀逸なデザインのクルマが多い。
※この「無駄」とは、自動車の構造上、空力などを含めて「エコ」など考慮せずにデザインされた著者が思う最大の賛美である
やはり50年代のアメ車は最高!
大戦後の好景気もあり、贅沢極まりない作りの50年代のアメリカ車、特にフルサイズのリアデザインは秀逸だった。
そのなかでも特に有名なクルマを挙げるとしたら、キャデラック・エルドラドだろう。いわゆるテールフィンのデザインでは代表格といえる。流れるようなテールフィンに組み込まれたテールランプは、もはや芸術以外の何物でもない贅沢極まりない造りである。
マニアックなところでは1958年のマーキュリーのワゴン(シューティングブレーク?)だろうか。本国でもほとんど造られなかったようだが、リアドアから「エグるように」テールへと流れるデザインは、驚愕を超えてもはや嫉妬のレベルだ。なぜ、少数生産のクルマにこのようなデザインが生まれたのか、謎としかいえない領域である。
これは余談だが、運転してさらに驚愕したのは、ATのレバーのボタンを押してDレンジやRレンジに入れることであった。
優雅なデザインの「おフランスの旧車」
こちらもお国柄が非常に反映しているのだろうか。
クルマの構造上、無駄がないように思えて実は複雑な構造だったり、「宇宙船レベル」な常人の常識をはるか先までぶっ飛ばしてしまうほど強烈でインパクトがあるデザインがフランスの旧車の特徴ではないだろうか?
有名なところでは、やはりシトロエンDSであるが、このクルマもワゴンがあるのをご存知だろうか?