1月25日は「中華まんじゅうの日」です。中華まんじゅうといえば、ひき肉が白い皮に包まれていて、湯気がホカホカ~。コンビニのレジ前にもある、いわゆる「肉まん」ですね。でも、北海道で「中華まんじゅう」といえば、どら焼きのような皮の中に、小豆のあんこが入っていて、三日月形で、温かくない和菓子…?? 何か変だぞ、北海道の中華まんじゅう。
まんじゅうなのに、なぜ三日月形? 中華なのに、なぜ和菓子?
普通、中華まんじゅうといえば、ひき肉が白い皮に包まれたホカホカの丸いまんじゅうを思い浮かべます。ところが、北海道で中華まんじゅうといえば、白い皮のホカホカまんじゅうではなく、どら焼きのような皮で小豆の餡を包んでいる、三日月形の和菓子のことを指します。
北海道の中華まんじゅうは、名前に「中華」とついているくせに、和菓子屋で売っています。皮はどら焼きと同じく、小麦粉と卵と砂糖。これをどら焼きのように鉄板で焼いて、中に小豆餡を詰めて、半分に折って仕上げます。
どら焼きの皮はわりとふっくらとした仕上がりになりますが、中華まんじゅうの皮はそれほどふんわりはしておらず、皮は薄めで、どちらかといえば、しっとりした食感です。
別名「葬式まんじゅう」。昭和生まれには懐かしい。
北海道に住む昭和生まれの人なら、中華まんじゅうというと「葬式でよくもらったなあ」と懐かしく思うかもしれません。
最近はあまり見かけなくなりましたが、中華まんじゅうは、普段のおやつで食べたり、贈答品としてやりとりされるものではなく、主に、長方形の化粧箱にきれいに詰められて、お葬式や法事の引き出物として利用されるほうが多い和菓子です。
普通、葬式まんじゅうといえば、白と黄緑色または黄色がペアになった丸いまんじゅうや、白い小判型のまんじゅうに焼印が押されたものなどを思い浮かべますが、北海道では、どら焼き風のバナナ形。そしてこれをなぜか「中華まんじゅう」とよぶのです。
由来は「中花まんじゅう」。でも、細長いのになぜ「まんじゅう」なのかは謎のまま。
和菓子の世界では、どら焼きの皮のように、小麦粉と砂糖と卵を使ったものを「中花種」とよびます。
原料はスポンジケーキと同じですが、ケーキのように白身を泡立てたりオーブンで焼いたりするのと違い、平らな鉄板の上で焼くと、あの和菓子の独特な風味と食感になります。
この皮を使ったものなので、「中花まんじゅう」とよばれ、それが「中華まんじゅう」となったのではという説があります。実際に、あの三日月形を「中花まんじゅう」とよぶ地方もあります。
でも、丸くないのになぜ「まんじゅう」とよぶのかは謎のままですが、中国の「中華」が由来ではないようです。
〈参考:北海道人「中華まんじゅうのフシギを訪ねて」〉
北海道では「中華まんじゅう」といえば、三日月形の葬式まんじゅうのことを指します。一方、白い皮のホカホカの肉まん・あんまんには「中華」という言葉を用いず、単に「肉まん」「あんまん」とよんでいます。日本式のお葬式の引き出物が中華という名の和菓子…。北海道以外の人にとっては、ちょっとややこしいかもしれませんね。