
この先1か月も、終わりの見えない危険な暑さが続く見込みです。体温超えの耐え難い暑さになる日もありそうです。熱中症などの健康管理には十分注意してお過ごし下さい。またこの先、月末頃にかけてまとまった雨の降る可能性は低く、再び渇水の懸念も出ています。暖候期はまだ続きます。気温や海面水温が高い中、秋雨前線が顕在化すると、想定を超えるような極端な短期集中の大雨となる可能性もあり、大雨への対策も出来る限りのことを行って下さい。
●厳しい残暑と渇水に注意 短期集中の大雨への備えも
この先1か月の北陸地方も、平均気温は平年より高く、身体に堪える耐え難い暑さとなる日がある見込みです。危険な暑さは災害です。暑さ対策を万全にしながら、決して無理をしないようにしましょう。特に一人で屋外作業をする際は、短い間隔で定期的に休憩を取り、こまめに水分と塩分の補給をして、熱中症を予防していきましょう。
降水量は、1か月で少ない予想となっていますが、秋雨前線が顕在化すると、日毎では、まとまった雨となり大雨となることもありそうです。極端な天気が頻発しています。このあとも、短期集中の大雨、想定を超える雨量もある前提で、大雨への備えを怠りないようにお願いします。
●お盆明けに夏の再来 20日頃からかなりの高温
北陸地方には、20日頃からを対象に「高温に関する早期天候情報」が発表されています。この早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温や低温、降雪量(冬季の日本海側)となる可能性が、いつもより高まっているときに、事前に注意を呼びかける情報です。
今夏は、「10年に1度程度しか起きないような著しい高温」の情報が繰り返し発表される異常事態となっています。23日は二十四節気の処暑、厳しい暑さが和らぎはじめる時期とされていますが、季節の歩みはスローペースでしょう。
引き続き、農作物や家畜の暑さ対策、水の管理等に十分注意してください。お墓参りや車の長距離移動の途中でも熱中症リスクが高まることがあります。生活のリズムの乱れや冷たい物の摂り過ぎ、冷房病などにより身体に不調をきたすこともありそうです、このあとも体調管理には十分注意してお過ごし下さい。
●地球温暖化が進む中での長期的な気温上昇 ~新潟の事例~
グラフの折れ線は、新潟の8月の月平均気温で、1881年~本年2025年までの約140年間の推移を示しています(本年は8月13日迄)。また赤い直線は、長期的な変化傾向を示し、100年当たりでは約1℃の上昇となっています。
過去最高を記録した2023年は30.6度、新潟県に発表された熱中症警戒アラートの発表回数は42回にも及び、長崎県と並び全国1位の発表回数となりました。また同年は、福井・金沢・富山のいずれも8月の平均気温が30度以上を記録して過去最も暑い夏となりました。
2025年の8月前半は記録的な大雨の影響で、最高気温が30度未満の日が13日迄に5日もあり、これまでの所、気温は平年並みにとどまっています。ただ、8月後半は暑さがぶり返し再び平年より高い日が続くでしょう。引き続き暑さ対策を万全にしてお過ごし下さい。
●線状降水帯による大雨 想定を超える雨量が現実に ~金沢の事例~
図は、北陸地方の1時間降水量50mm以上の非常に激しい雨の回数の長期的な変化傾向を示したもので、2025年3月に気象庁から発表された「日本の気候変動2025」報告書より一部を抜粋したものです。
この報告書は県別にもまとめられており、石川県版では、1976年~2023年のうち利用可能な観測データによる推定で、100年に一回の大雨(日降水量)は、金沢で約205mmとされていました。その一方、2025年8月7日の日降水量は332.0mmを観測。7日未明に加賀地方で発生した線状降水帯の影響で、想定を超える大雨となり、土砂崩れによる住宅の損壊、住宅や競馬場の床上や床下浸水などの被害が相次ぎました。
このあとも、大雨シーズンは続きます。現時点で、8月末ごろにかけて、広範囲でのまとまった雨は予想されず、逆に渇水が懸念されることもありますが、日頃から、貴重品は住宅内の高い所など、安全な場所に保管しておくなどの対策をしておきましょう。