
九州から北陸では12日にかけて、東北も明後日11日から12日は、警報級の大雨になる可能性があります。先月7月の降水量は、北日本から西日本で少なく、ダムの貯水率が低下し、渇水対策が行われている地域もあります。8月前半の雨で、これまでの少雨の状態を解消するほどには至らない可能性があります。8月の後半は、広く晴れる日が多くなるでしょう。目先の大雨に警戒が必要な一方で、水の管理にも、引き続き注意が必要です。
●12日にかけて九州~北陸は警報級の大雨の可能性
今日9日、対馬海峡付近にまとまった雨雲があり、一部が九州北部などにかかっています。
山口県、福岡県、佐賀県、長崎県では、今夜(9日)、夜のはじめ頃から明日10日夜のはじめ頃にかけて、線状降水帯が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
雨の範囲は、明日10日にかけて東へ広がるでしょう。中国地方から北陸付近にも、発達した雨雲がかかる見込みです。
今回の雨のピークは、明日10日ですが、12日にかけて雨が降りやすく、東北付近にも発達した雨雲がかかることがあるでしょう。
九州から北陸では12日にかけて、東北も明後日11日から12日は、警報級の大雨になる可能性があります。
●危険な雨になる理由は、梅雨の最盛期から末期にみられる気象条件
今日9日は、前線が、中国華北から九州を通って、本州の南、さらに日本の東に延びています。この前線に向かって、インド方面から南西モンスーンによる暖かく湿った空気が流れ込んでいます。
明日10日は、夏の太平洋高気圧が、次第に日本の南に張り出すでしょう。前線は北上し、12日にかけて、日本海に停滞する見込みです。太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が、南西モンスーンの流れに合流して、前線に流れ込みます。
これは、梅雨の最盛期から末期にみられる気象条件です。九州北部など西日本を中心に線状降水帯の発生を秘めた、危険な雨の降り方になることが予想できます。
●お盆は次第に夏空が戻る
13日から16日にかけてのお盆の期間は、次第に夏空が戻る見込みです。入道雲が発生し、雨が降ることもありますが、局地的でしょう。
●大雨と渇水の懸念、両側面から今後の見通し
先月7月の降水量は、北日本から西日本で少なく、特に東北の日本海側と北陸では、顕著な少雨になりました。ダムの貯水率が低下し、渇水対策として節水の呼びかけなどが行われている地域もあります。
8月に入ると、状況が変わり、雨が降りやすくなっています。上の図は、昨日8日までの10日間降水量の平年比です。平年を上回る雨が降った地域も少なくありません。
鹿児島県の霧島市福山では、今日9日午前5時10分までの48時間降水量は、574.5ミリを観測しました。たった2日間で、8月平年ひと月分の2倍近くになり(8月の平年は307.7ミリ)、統計開始の1976年以降、年間を通して1位の値を更新しました。
この先、12日にかけて大雨のおそれがあります。ところが、8月前半の雨で、これまでの少雨の状態を解消するほどには至らない可能性があります。
8月の後半は、本州付近は夏の高気圧に覆われて、広く晴れる日が多くなるでしょう。目先の大雨に警戒が必要な一方で、水の管理にも、引き続き注意が必要です。