
<明治安田J1:東京V0-3広島>◇23日◇第27節◇味スタ
東京ヴェルディがホームで0-3でサンフレッチェ広島に敗れた。
前半7分にCKからこぼれ球を押し込まれて先制点を奪われたが、その後は押し込む時間帯も多く、シュート数も11本と広島の8本を上回った。
惜しむらくは決定機で1本が出なかった。前半追加タイムにMF斎藤功佑のシュートが防がれ、後半13分のMF新井悠太のシュートがゴールバーを直撃。さらに同14分にはMF食野壮磨が中央からドリブルで抜けだし1対1となる場面があったが、GK大迫敬介に阻まれた。
同点とできない流れの中、後半17分に中盤でボールを奪われカウンターから広島MF中村草太に独力でゴールを奪われ、さらに同38分にFKから失点した。追いつく展開となっていれば、また違う試合になっていた。
終わってみればセットプレーから2失点。ゴール前での圧力は広島が完全に上手だった。城福浩監督は試合後の会見でこう話した。
「今我々がやれることをしっかりやれば、勝ち点3を取れるチャンスあると思ってました。ただ警戒すべきはセットプレーだと。これは明らかに我々にはない武器で、あのキックの精度、スピード、中に入っていく迫力っていうのは、そこには歴然とした差があるなと。それ以外の差がどうかっていうのは、もう言うのは意味がないと思います。我々がどういうサッカーをやって、相手がどういうサッカーをやったかっていうのは、僕は今それを言うのはあまり意味をなさないと思う。そこ(セットプレー)は警戒して準備しましたけれども、そこでやられたっていうのが今の我々の力だと受け止めて、我々らしく勝ち点3を取るというのがどういうことかっていうのは整理して、また次に向かいます」
中盤の司令塔でキーマンとなるMF森田晃樹が前節京都戦で受けた負傷により欠場。チームの台所事情は苦しく、千田海人、綱島悠斗が抜けたDFラインの穴はそう簡単に埋まらない。この日の3バックには、今夏にJ2ブラウブリッツ秋田から加入した186センチのDF井上竜太が初出場した。東京Vが特長とする最終ラインからのテンポのいいビルドアップにはまだなじめていない。それでも広島の素早く正確な攻撃に対し、懸命に対応していた。
城福監督は、井上の起用を踏まえて「今抱えてる問題の1つで高さっていうのがあるので、これはセットプレーが一番のストロングである広島さんと対戦するにあたっては、そこは大きな問題というか、我々としては問題意識を持っていた。もう1つは、J1でやったことのない選手をどこかで使わないと戦力化ができないので、出たことない選手たちをいかに戦力化していくか。ここは残りの試合数と勝ち点と考えながら、今出ている選手、ここまで出ていた選手、新たに入ってきた選手、ベンチに入れてない選手、全員がやはりもうひと伸びしないと、我々自身で来年J1を戦うっていうことは非常に厳しくなると思う。
我々は選手を成長させなきゃいけない、彼らも伸びていかなきゃいけないっていう意味で、ある意味、覚悟を持って彼(井上)を使いましたけれども、特に悪かったっていうより、少し筋肉系のけいれんを感じながらやっていたので、相手の高さも多少減ったのもあって(後半41分に)交代したということ。出てる時間は初出場の中ではある程度やってくれたかなと思います」
2連敗で勝ち点31の14位と足踏みが続く。残留争いの厳しい戦いは続く。悲観することなく、日々の練習に全力で取り組み、活路を見いだしていく。次節30日の横浜FC戦に向け、また新たな1週間が始まる。