
<全国高校野球選手権:日大三-沖縄尚学>◇23日◇決勝◇甲子園
最高の舞台でほこたて対決が実現する。この夏の頂点を決める試合が23日、甲子園で行われる。日大三は今大会2本塁打の田中諒内野手(2年)ら強打が売りで、1試合平均10安打5得点。対する沖縄尚学は、末吉良丞(りょうすけ)と新垣有紘(ゆいと)の2年生コンビで1試合平均防御率0・96と鉄壁の投手陣を持つ。22日は両校ともに決勝へ向けて体を動かした。日大三が強打で制して、3度目の夏制覇か。戦後80年の夏、沖縄尚学が初の全国制覇か。注目の決勝は23日午前10時に始まる。
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2年生スラッガーが“レジェンド超え”で夏の頂にのぼりつめる。決戦に備えて打撃練習に励んだ日大三の田中諒は「変わらずいい振りができている」と、持ち味の豪快なスイングで柵越えを連発した。新基準の低反発バットが導入された24年春以降、初となる1大会2本塁打。あと1本で、2年生の最多記録として84年夏の清原和博(PL学園)らに並ぶ。
21日の準決勝では、走塁中に左ふくらはぎをつり途中交代したが「もとに戻りました。全然大丈夫です」と状態は万全。沖縄尚学の好投手、末吉、新垣有との対戦に「2人とも真っすぐも変化球もキレがあるので、ついていけるように」とイメージを膨らませた。
両投手と同じ2年生。「意識はするんですけど、試合の中では自分のスイングをするだけ」と、静かに闘志を燃やす。
今大会は4番を任され、準決勝までの4試合で18打数8安打、打率4割4分4厘。「ここぞの場面で1本出るのが4番」と、言葉どおりに全試合で打点を記録し打線をけん引する。“強打の三高”を象徴する主砲は「泣いても笑っても最後なので、なんとしても勝ちたい」。鋭い一振りで栄光への扉を開ける。【北村健龍】
◆84年夏の清原(PL学園) 2年夏に出場。1回戦の享栄戦では4番一塁手として先発出場し、2打席目に右本、4打席目に左本、6打席目にも左本を放ち、大会新記録となる1試合3本塁打を記録。その後は決勝の取手二に敗れるまで5試合に出場し17打数6安打を放ったが、1発は出なかった。
▽日大三・三木有造監督(51)「右の新垣君、左の末吉君と、どっちがきてもいいように対策しました。思う存分にやることをやって暴れてきてほしい。選手たちが思いきりやってくれれば」
▽日大三・本間律輝主将(3年)「いいピッチャーはどう打ち崩すか。自分たちのスイングをすることが一番大事。楽な展開は絶対にないと思うので、甘い球を1球で仕留めて競り勝ちたい」