
現役引退からわずか2年、代表コーチとなった後も選手と同じような向上心で成長曲線を描いている。
日本代表の前田遼一コーチ(44)が22日、千葉市内で取材に応じ、「点取り屋」だった自身の現役時代の経験を重ね合わせながら、現在のセットプレーの選手指導について語った。
現役時代は、当時ザッケローニ監督が率いた11年1月のアジア杯で全6試合に先発し、日本の2大会ぶり優勝に大きく貢献した。
23年1月からは第2次森保ジャパンに入閣後は、日本の得点力アップに尽力している。
「今はセットプレーの仕事を任されているので、そこで1つでも得点だったり、チャンスをつくって日本の勝利に貢献したい。今はそればかり考えている」
コーナーキック(CK)からの得点は来年のW杯での上位進出へは、不可欠要素だろう。22年W杯カタール大会アジア最終予選は10試合12得点も、PKを除くセットプレーからの得点がなく、苦戦した。
21年1月の現役引退後からわずか2年で代表コーチに就任。攻撃での明暗を分けるCKについて自身は「現役当時は本当に何にも考えてなくて…」と苦笑い。森保一監督からのオファーも「本当に今、力になれるか分かりません」と伝えた上で引き受けたという。
それでも、代表選手の所属クラブでのプレーや対戦国の映像などを見れば、実際にJクラブの練習にも足を運んで選手や指導者と会話を重ねてきた。「そうやって少しでも、いろんなアイデアだったりを吸収できるように今はやっている」
結果は着実についてきている。前田コーチが加わった後の26年W杯北中米3カ国大会アジア最終予選では10試合30得点のうち、6得点はCKが起点となった。
来年6月開幕のW杯まではすでに1年を切った。
「もちろん楽しみな部分もあるけど、監督の『誰も保証されていない』みたいな言い方をしていた。1年後の舞台でしっかり結果を出すためにやるんですけど、次の9月でしっかり結果を残せないと。一戦一戦を大事に今までやってきたことを積み上げていけたら」
9月の米国、メキシコ戦での開催国遠征へ、期待を寄せた。【泉光太郎】